スケートアメリカ

caltec2008-10-26



男子シングル、日本の小塚選手がアメリカのライザチェック、ウィアーを破り、GPシリーズ初優勝。周りの人も、そして本人も優勝するとは思っていなかった、結果だったと思います。


上位三人(小塚、ウィアー、ライザチェック)のスコアを見ると、SP・フリーとも僅差。技術点で小塚が上回り、PCSでウィアー・ライザチェックが勝るという点数配分は変わらず。


小塚君の技術点については、ジャンプの安定度が増しジャンプで点数を計算できるようになったのと、スピンでレベル4をきっちりと稼いでいる点が、他のアメリカ選手との差になったような印象を受けました。


また、昨年度と比べ、小塚君の表現力の評価が良くなっていたのもこの結果に繋がったと思います。上半身の使い方や指先の表現など、ずいぶんと「魅せられる」演技ができるようになったという印象を受けました。

フィギュア:小塚、逆転でGP初V 女子SPは安藤が2位


フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦、スケートアメリカ第2日は25日、米ワシントン州エバレットで行われた。


<男子シングル>


男子フリーで小塚崇彦トヨタ自動車)が1位となり、ショートプログラム(SP)3位からの逆転で、GP初優勝を果たした。小塚は合計226.18点。昨季の世界選手権3位のジョニー・ウェア(米国)が2位だった。


◇小塚「体から魂が抜けた感じ」…また一つ殻を破る


大本命と思われていた最終演技者の全米王者、ライサチェクの点数が伸びない。どよめく場内の電光掲示板に「KOZUKA」の優勝が映し出された。SP3位から逆転で、日本男子4人目のGP制覇。その瞬間の気持ちを「何が何だか分からなくて、体から魂がふわーっと抜けた感じ」と表現した。


ミスを、果敢に挑んだ4回転ジャンプの転倒だけにとどめたことが勝因だ。疲労度を考慮して得点が1.1倍される後半に五つのジャンプを跳び、SPに続き技術点はトップ。佐藤信夫コーチも「4回転の失敗後、持ちこたえたことに価値がある」とほめた。


大崩れしなかった背景には「昨季までは足りなかった気持ち」がある。初出場で8位とトップ選手に近づいた3月の世界選手権後、競技に取り組む意識が変わった。練習量も増やし「自信を持ってここにきた」。進歩したのは技より心だと断言した。


父の嗣彦さんは元五輪選手、母の幸子さんも全日本選手権メダリストというフィギュア界のサラブレッド。2006年に世界ジュニア選手権を制し、GPは2年前のNHK杯3位が最高だった。また一つ殻を破った19歳。GP上位6人が進むファイナルも見えてきた。(共同) 


【略歴】小塚 崇彦(こづか・たかひこ) 
5歳から本格的に競技を始める。06年に世界ジュニア選手権優勝。昨季の世界選手権は初出場で8位。170センチ、59キロ。愛知県出身。19歳。(共同)


女子シングルSPは、1位のキム・ヨナが頭一つ飛びぬけた感じで、2位の安藤〜6位のキミー・マイズナーまではどんぐりの背比べという感じ。長洲未来レイチェル・フラット、(今大会は出場していないが)キャロライン・ジャンの活躍を見ると、アメリカは世代交代が確実に行われているという印象を受け、キミー・マイズナーエミリー・ヒューズの全米代表の座も危うい印象を受けました。


安藤選手は、ジャンプのキレと高さ、身のこなしのシャープさ、そして優雅さも出てきて、昨シーズンから人が変わったように好調な様子。ただ、彼女の調子はいいものの、SPの曲が単調なので、なかなか滑りこなすのは難しいプログラムだと思います。これからのシーズンでどれだけ完成度を増してくるのかが課題だと思いますが、いつものように年が明けてから「昔の曲に戻した」病がでないといいなあ、と思います。


キム・ヨナは、ジャンプ、スピード、表現力と、ちょっと「別格」。今の実力を考えると、パーフェクトな滑りができたら、昨年の表彰台の3人(真央・ヨナ・コストナー)の争いになるんだろうと思います。

<女子シングル>


女子のSPは、ステップで転倒した安藤美姫トヨタ自動車)が57.80点で2位、中野友加里プリンスホテル)は57.46点で3位。GPファイナル2連覇中の金妍児(韓国)が69.50点で首位に立ち、長洲未来(米国)は4位につけた。


◇思わぬミスも「ここまでできた」…安藤に笑顔戻る


涙とともに演技途中でリンクを去った昨季の世界選手権から7カ月。安藤が女子SPで2位発進した。思わぬミスもあったが「ここまでできると思っていなかったのでうれしい」。20歳に笑顔が戻った。


冒頭の2連続3回転ジャンプは、厳しい判定で二つ目が回転不足とされた。それでも昨季序盤は挑戦すらできなかった高難度の技を跳びきった。すべてのジャンプを終えた中盤にステップで転倒したが、技自体の評価は上々だった。


優勝は難しい状況だが、フリーでは明確な目標がある。来季の五輪に向けて武器としたい4回転ジャンプ。「成功できたら神様からのご褒美かな」。練習で好調な大技に挑む。(共同) 


<ペア>


ペアの井上怜奈、ジョン・ボルドウィン組(米国)は5位。アリョーナ・サブチェンコ、ロビン・ゾルコビー組(ドイツ)が優勝した。(共同)