「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡 」展

caltec2008-10-23



国立新美術館にて「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡」展 を観る。


青の時代、バラ色の時代の作品は数点程で、出品の大半がシュルレアリズムの作品で占められていた本展覧会。想像していたものとは構成内容が若干違いましたが、とにかく、ピカソのシュルレアリズム作品を堪能させていただきました。


ピカソの画風の変遷を描き出すには、年代ごとの作品配分が充分配慮されているとは言えず、シュルレアリズム時代の作品のみに焦点をあて、その中での作品分類による章立てを行ったほうが、企画展として優れたものが開催されたような気がします。折角、同じ六本木にあるサントリー美術館新国立美術館と共催しているのに、住み分けがイマイチ曖昧というか、これだけの作品があるのにもったいないなあ、という印象を受けました。

生涯を通じて変貌を重ね続けたピカソの全体像に迫ります。初期の青の時代からバラ色の時代、そしてキュビスムを経て、新古典主義、さらにはシュルレアリスムと変化していく作風。パピエ・コレ、レリーフ絵画、構成的な彫刻やアサンブラージュなど、さまざまな素材と表現の可能性の追求。激動の時代であった20世紀を生きた芸術家らしく、戦争や平和をめぐって、人間性や芸術の意味を求めて、ピカソの芸術は多様な展開を見せます。それとともに忘れることができないのは、画家の生涯を彩り、その芸術に霊感を与えた、愛する女性たちの存在でした。生きること、愛することと芸術の創造とが分かちがたく結びついた、巨匠ピカソの91年の生涯を、約170点の作品によってたどる大回顧展です。


本展は、パリ・ピカソ美術館の大改修に伴って可能になった世界巡回展の一環として、国立新美術館サントリー美術館で同時開催します。


企画力  :★★★☆☆
展示方法 :★★★☆☆
作品充実度:★★★★☆
満足度  :★★★★☆