世界選手権


フィギュアスケートの世界選手権がいよいよ開幕する。
女子シングルは、実力を本番で発揮すれば、下記の記事にあるように、昨年のメダリスト3名(安藤、浅田、キム・ヨナ)の争いになりそう。ただキム・ヨナの調子が本調子ではないのと、安藤のメンタリティー(精神状態によって好不調の差が激しい)ことを考えると、浅田真央のメダル獲得は確実として、ロシェットやコストナーにもメダル獲得のチャンスは十分にありそう。
女子は今や完全にアジアとアメリカ勢(全米選手権上位2名は年齢制限で出場できないが)の時代になりつつあるので、コストナーの頑張りに期待したいところかもしれない。


男子は高橋大輔とベルネル、ジュベールランビエールの欧州勢の戦いになりそう。

世界フィギュア:18日開幕 真央、安藤、金三つどもえ


【イエーテボリ(スウェーデン)来住哲司】


フィギュアスケートの世界選手権が18日、当地で開幕する。日本勢は女子が前回大会2位で4大陸選手権優勝の浅田真央(愛知・中京大中京高)と前回大会女王の安藤美姫トヨタ自動車)、男子は前回2位で4大陸選手権王者の高橋大輔(関大)を擁し、男女とも優勝を狙う。

 
◇女子


前回メダリスト3人の争いだ。前回3位でグランプリ(GP)ファイナル2連覇の金妍児キム・ヨナ)=韓国=は高い3−3回転連続ジャンプ、抜群の表現力を持つ。左こ関節痛と腰痛で4大陸選手権を欠場したが、回復具合が気がかりだ。


初優勝を狙う浅田真は今季GPシリーズではショートプログラム(SP)で崩れていたが、最近は安定。トリプルアクセル(3回転半)などジャンプを確実に跳び、総要素点で金を上回りたい。2連覇を狙う安藤は今季、表現力が向上しているものの、右肩痛の影響もあって安定感を欠いているのが不安材料。浅田真、安藤とも3−3回転連続ジャンプで回転不足とされずに跳べるかもカギだ。


欧州女王のカロリナ・コストナー(イタリア)は表現力に磨きがかかり、表彰台を狙う。4大陸選手権2位のジョアニー・ロシェット(カナダ)、過去2年連続5位の中野友加里早大)、全米選手権7位から巻き返しを図る前々回女王のキミー・マイズナー(米国)らが追う。


◇男子


混戦模様だが、高橋大輔(関大)がわずかにリード。今季GPファイナルでは2位だったが、4大陸選手権は世界歴代最高の264・41点で優勝した。フリーで二つの4回転ジャンプ、二つのトリプルアクセルを決めれば、日本男子勢初優勝に近付く。


前回3位で今季GPファイナル王者のステファン・ランビエル(スイス)はSP、フリーとも4回転を入れ、2年ぶりの王座奪回を期す。今季はミスが多いのが不安材料。


勢いがあるのは前回4位で欧州選手権新王者のトマシュ・ベルネルチェコ)。フリーで4回転ジャンプを2度入れ、滑らかな滑りにも定評がある。前回王者のブライアン・ジュベール(フランス)はGPシリーズで体調を崩し、1月の欧州選手権は3位。どこまで回復しているか。


全米選手権2位のジョニー・ウェアの米国勢、4大陸選手権2位のジェフリー・バトル(カナダ)らもメダルを狙う。小塚崇彦トヨタ自動車)、南里康晴中村学園大)は上位をうかがう。


世界フィギュア選手権日程◇(現地時間)

18日 アイスダンス規定、ペアSP
19日 女子SP、ペアフリー
20日 アイスダンスOD、女子フリー
21日 男子SP、アイスダンスフリー
22日 男子フリー
※23日はエキシビション。SPはショートプログラム、ODはオリジナルダンス

毎日新聞 2008年3月18日 0時31分)


浅田選手は好調のようです。今季不調ながらもそれなりの成績をあげているのでジャンプがある程度決まれば、彼女のメダル獲得は間違いないのかなあ、と思います。

フィギュア:浅田真央「目標は金メダル」…世界選手権


【イエーテボリ(スウェーデン)来住哲司】


当地のスカンジノービアムで18日開幕するフィギュアスケートの世界選手権で、女子の浅田真央(愛知・中京大中京高)は「目標は金メダル」と公言している。2位にとどまった前回の悔しさを晴らし、初優勝を狙う。


浅田真は16日夕に当地に到着し、同日夜の公式練習に途中参加。17日午前の公式練習では、3−3回転連続ジャンプやトリプルアクセル(3回転半)などを決めた。「最初は氷が硬いと感じたが、だいぶ慣れた。今の調子をキープしたい」と仕上がりに満足そうだ。


初出場だった前回は「合計200点超えで優勝」と目標を掲げたが、ショートプログラムで連続ジャンプをミスして5位と出遅れ、フリーで歴代女子世界最高得点(当時)を出したものの総合2位。試合後は悔し涙を流した。今大会は「すごく大事な大会。悔いの残らないように、ミスをしないようにしたい」と意気込む。


先月の4大陸選手権で優勝し、その後は地元・愛知県で練習し「レベルの確認をしてきた」という。同選手権では3−3回転連続ジャンプで回転不足を取られており、これを完ぺきに跳べるかが焦点の一つ。米国在住のラファエル・アルトゥニアン・コーチは同行していないが、「4大陸選手権もいなかったし、変わりはない」と、周囲の不安を否定する。


同じ17歳のライバルで前回3位の金妍児キム・ヨナ、韓国)は、4大陸選手権を股(こ)関節痛で欠場しており、万全ではない。06年以降はグランプリファイナルを含めて「世界一」の座に就いていない浅田真だが、「天才少女」の本領を発揮し、頂点を極められるか注目だ。


安藤選手は、得意の、直前になっての「昨年度のプログラムへの変更」作戦を今年も実施。スランプに陥るとプログラムを戻すのと、成績が悪いと「怪我だった」と会見で明かすのがパターン化しているのですが、毎年違ったプログラムに挑戦する選手の方が個人的には好きなので、ちょっと応援度合は下がります。彼女の精神面での成長も経験を積んでいくしかないのかなあ。


ただ、作品としての完成度という点からは「シェエラザード」の方が各段にいいので、上位を狙うため、このプログラム変更についは異論はないのですが。。

安藤美姫:SP昨季プログラムで勝負


フィギュアスケート世界選手権は18日、スウェーデン・イエーテボリで開幕する。2連覇を狙う安藤美姫(20=トヨタ自動車)は17日、スカンジノービアムで公式練習に参加。19日のショートプログラム(SP)には昨季の交響組曲シェエラザード」に戻す大胆な作戦で挑むことを決めた。


シーズン終盤での曲目変更は大きなかけだが、安藤に迷いはなかった。「好きだったけど、自分の中で表現しきれなかった。ジャンプのタイミングもよくなかった」と今季のSP「サムソンとデリラ」に見切りをつけた。2月の四大陸選手権後にニコライ・モロゾフ・コーチと相談。「自分の気持ち出して、表現できる」という昨季の交響組曲シェエラザード」への変更を決意した。


日本スケート連盟の伊東秀仁フィギュア強化部長は「滑りやすいのが一番いい。かつては荒川もそうだった」と言う。荒川静香は06年アテネ五輪直前にフリーの曲を2季前の世界選手権優勝時に使用していた「トゥーランドット」に変更。それが金メダル獲得の一因となった。


安藤にとっても昨季の曲は初めて世界王者となった縁起の良さがある。衣装も昨季のものを持参。アレンジを加えた曲はまだ到着したばかりだが「スムーズに、いいタイミングで滑れる」と自信を見せた。フリーでは4回転ジャンプを封印することも早々と決めた。尊敬する荒川流の金メダル作戦で日本人初の連覇を目指す。


スポーツニッポン 2008年3月18日