4大陸フィギュア

4大陸フィギュア:浅田真が初優勝 安藤3位、村主10位


4大陸フィギュアスケート最終日は16日、高陽(韓国)で女子フリーを行い、浅田真央(愛知・中京大中京高)がショートプログラム(SP)に続いてフリーも1位となり、合計193.25点で初優勝した。


浅田真は2連続3回転ジャンプで二つ目が回転不足と判定されたが、最初のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を含め、ほかは大きなミスがなかった。


SP2位から逆転を狙った世界女王の安藤美姫トヨタ自動車)は4回転ジャンプに挑んだものの失敗し、合計177.66点の3位だった。2位はジョアニー・ロシェット(カナダ)で、村主章枝(avex)は10位に終わった。


日本勢は前日、男子の高橋大輔(関大)が世界歴代最高得点で初優勝しており、2003年以来のアベック優勝。(共同)


▽伊東秀仁・日本スケート連盟フィギュア強化部長 


浅田真は体がよく動いていた。世界選手権につながるステップになった。安藤は滑りにスピードがなかった。修正して次につなげてほしい。(共同)


◆4大陸フィギュアスケート成績

▽女子 
(1)浅田真央(愛知・中京大中京高)193.25点(ショートプログラム60.94、フリー132.31)
(2)ロシェット(カナダ)179.54点(60.04、119.50)
(3)安藤美姫トヨタ自動車)177.66点(60.07、117.59)
(10)村主章枝(avex)145.06点(50.24、94.82)(共同)

浅田真央:初Vに「うれしい感情」…やっと自信取り戻す


新調した深紅の衣装に包まれた細身の体が浮き上がる。軸がぶれない鋭い回転。美しい着氷にすべてのジャッジがプラスの評価を与えた。これが浅田真のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)だ。「重点的に練習してきた自信から、迷わず、焦らずに跳べた」と笑顔で振り返った。


2連続3回転ジャンプの二つ目が回転不足と判定された以外に目立ったミスはなかった。「終わってからうれしい感情が出てきた」という。


表現力を示す5項目の得点も、ただ一人すべて7点台。自己最高点へ0.82点差に迫る内容だった。今季最高得点を出した昨年12月のグランプリ・ファイナルでも、SPは最下位で出遅れた。世界選手権を1カ月後に控え、ようやくSP、フリーの両方で及第点の演技をそろえることができた。


今大会はアルトゥニアン・コーチが同行せず、大会前の名古屋や現地での調整は、周囲の協力を得て練習計画を練った。踏み切りの仕方で減点が続くルッツも課題とし、世界選手権までに修正できる手応えを得ているという。


自己評価は80点。「世界選手権に向けていいステップになった。悪いところを直し、世界選手権に臨めたらいい」と話す。見つめる先には昨季、小差で安藤に譲った世界女王の座がある。今季足踏みしていた17歳が、やっと自信を取り戻した。(共同)


(毎日新聞 2008年2月16日 20時54分)

安藤美姫:4回転不発も「前向き」…世界選手権に照準


最初の連続ジャンプで乱れ、「考えすぎた」という4回転も不発に終わった。安藤は逆転優勝はおろか3位。それでも落ち込む様子はない。「回りきって転ぶならまだしも(回転が抜ける)パンクになった」。そう話す表情は、悔しさと、久々に挑戦した喜びが入り交じっているように見えた。


大会前から4回転サルコーの挑戦を明言し続けた。3月の世界選手権はスウェーデンで開かれる。同国出身のウルリッヒサルコーがこのジャンプ名の由来。運命を感じる場所で挑むには、実戦練習が必要だった。


二つのジャンプの失敗以外は安定していた。「前半をもっと練習して自分のものにしたい」と課題はより明確になった。指導するモロゾフ・コーチも「逃げずに4回転に挑戦したことが大切。世界選手権まで十分な時間がある」と結果は気にしていない。


世界選手権には、今大会を腰痛で欠場した金ヨナ(韓国)も出場するだろう。女王の座を守るために、この失敗をどう生かすか。今後は国内と欧州で調整し、大舞台へ臨む。(共同)


(毎日新聞 2008年2月16日 21時57分 (最終更新時間 2月16日 22時35分))