4大陸フィギュア

4大陸フィギュア:高橋大輔が世界歴代最高点で初優勝 


フィギュアスケートの4大陸選手権第3日は15日、高陽(韓国)で行われ、男子はショートプログラム(SP)首位の高橋大輔(関大)がフリーも1位となり、世界歴代最高の合計264.41点で初優勝した。


これまでの世界最高はトリノ五輪を制したエフゲニー・プルシェンコ(ロシア)の258.33点。日本男子の優勝は1999、03年の本田武史、06年の織田信成(関大)に続いて3人目。


昨季の世界選手権2位の高橋は2度の4回転トーループ、2度のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)などをすべて決め、フリーも世界歴代最高の175.84点。五輪3位のジェフリー・バトル(カナダ)が234.02点で2位。小塚崇彦トヨタ自動車)は8位、中庭健介(パピオク)は12位だった。


アイスダンスキャシー・リードクリス・リード組(川越ク)は7位。テッサ・バーチュー、スコット・モイヤー組(カナダ)が合計207.32点で初優勝した。(共同)


高橋大輔 

声援がすごくて、SP、フリーともに疲れていたけれど、その声援に助けられた。(05年に同じ韓国開催で3位になってからは)目標ができて、優勝したいという気持ちが強くなった。


中庭健介 

前日の練習で右ひざに(スケートの)刃を刺してしまい、右足でのジャンプを少なくした。この成績は(4大陸では)過去最低で情けない。(共同)


【略歴】高橋大輔(たかはし・だいすけ) 
8歳で競技を始め、岡山・倉敷翠松高時代の02年で世界ジュニア選手権を日本男子で初制覇。05年4大陸選手権3位、06年トリノ五輪8位。昨年3月に東京で開催された世界選手権で日本男子史上最高の銀メダルを獲得した。グランプリ(GP)シリーズは今季2勝の通算4勝で、GPファイナルは05年に3位、06年、07年はともに2位。165センチ、59キロ。岡山県出身。21歳。(共同)


(毎日新聞 2008年2月15日 22時50分 (最終更新時間 2月15日 23時51分))

4大陸フィギュア:高橋大輔、ライバル抑え圧巻の滑り


ソウルで15日、優勝を決め両手を突き上げる高橋大輔=AP 15日のフィギュアスケートの4大陸選手権。高橋大輔会心の演技に両手を突き上げた。観客が酔いしれたのは「世界最高」の滑りだ。高橋は単発と連続、二つの4回転に成功し、表現力を示す5項目でも4項目で8点台をマーク。たたき出した得点はフリー、合計ともトリノ五輪プルシェンコ(ロシア)がマークした世界最高を上回った。


驚きの点数もだが「丁寧に滑ることができて自信になる」と何より内容を喜んだ。3回転ループの着氷はわずかに乱れたが、昨年12月の全日本選手権で初めて跳んだ二つの4回転ジャンプを、国際競技会でも成功した。


「たくさんのライバルがいる中でいい演技ができてよかった」。3月の世界選手権で強敵となるバトル(カナダ)やライサチェク(米国)にも30点以上の大差をつけた。


実戦感覚を保つためにも出場した今大会。世界選手権へ大きな弾みがついた。昨季は日本男子最高の2位で涙が出た高橋だが、日本連盟の伊東フィギュア強化部長は「これを自信にすればおのずと(優勝も)見えてくる」と期待を寄せる。


大舞台へ残り約1カ月。「世界選手権では今季最高の演技をしたい」。21歳の日本のエースは、課題に挙げるスピンなどの完成度を高め、日本男子初の歴史の扉を開くつもりだ。(共同)