NHK杯

NHK杯 美姫ミス、2位発進


<女子シングル>
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第6戦、NHK杯は第2日の30日、仙台市体育館で女子のショートプログラム(SP)があり、世界女王の安藤美姫トヨタ自動車)は60・52点で2位にとどまった。欧州女王のカロリナ・コストナー(イタリア)が61・24点で首位に立ち、武田奈也早大)は55・06点で5位、浅田舞中京大)は35・98点で最下位の11位だった。


伸び伸び楽しんで

今シーズンからシニアに参戦している武田がSP5位と好発進。ほどよい緊張感の中でジャンプをミスなくこなし、三つのスピンとスパイラルがレベル4、ステップもレベル3に認定されるなど会心の演技。「集中して練習の成果が出せた」と笑顔を見せた。得点もGPシリーズ第2戦スケートカナダでのSPから3・04点も自己ベストを上積み。「伸び伸び滑れた」と初のNHK杯を楽しんでいる様子だ。フリーに向けても、「一つ一つの要素でプラスの評価がもらえるようにしたい」と意欲十分だった。


カロリナ・コストナー

小さなミスもあったが、満足している。フリーは一つのチャンスととらえて、より良い演技をしたい。ジャンプなど練習通りにできればと思う。


浅田舞

(涙ぐみながら)恥ずかしい演技をしてしまい、悔しい。体調不良で練習ができず、緊張で足も動いてくれなかった。フリーは恥ずかしくない演技で滑りきりたい。


美姫ミス、2位発進

安藤が波に乗れない。10月下旬のGPシリーズ第1戦、スケートアメリカのSPではステップで転倒したが、この日はキャッチフットスパイラルでバランスを崩し、首位にわずか0・72点差の2位に甘んじた。


冒頭に予定した3回転ルッツ−3回転ループの連続ジャンプは、スケートアメリカに続いて3−2回転にとどめた。練習で安定感を欠き、演技前にニコライ・モロゾフコーチから指示されたためだ。ミスなく無難に乗り切る作戦だったが、スパイラルが思わぬミスで最低のレベル1。「レベル4を取れるものを作ってきたのに」と悔やんだ。


試合でミスが続く原因について、安藤は「世界選手権の後、やらなくてはいけないことをやっていないから」という。「(世界選手権優勝の)結果に驚いてしまったし、やり遂げたという気持ちになった。中身は言えないが、プライベートな理由もあり、集中できなかった」と明かした。また、ルール改正でジャンプを跳ぶ際のエッジを厳格に審査するようになった。踏み切りがルッツ気味だったフリップの矯正に取り組んだところ、ルッツが崩れてしまった。


「(練習仲間の)高橋大輔君やコーチの支えで、今は練習を楽しんでいる」と安藤。GPファイナル(14〜15日、イタリア・トリノ)の自力進出は、今大会で2位以内確保が条件だ。3−3回転と、新導入のダブルアクセル(2回転半)−3回転トーループに挑むフリーで、世界女王の意地を見せたい。


アイスダンス
アイスダンスオリジナルダンス(OD)は、米国出身で規定10位のキャシー・リードクリス・リード組(川越ク)がOD8位ながら計69・73点で総合10位のまま。規定首位のイザベル・デロベル、オリビエ・シェーンフェルダー組(フランス)は計100・63点でトップを維持した。ペアのフリーはSP首位のアリョーナ・サブチェンコ、ロビン・ゾルコビー組(ドイツ)が計190・64点で優勝。第3日の1日は、女子とアイスダンスのフリー、男子のSPが行われる。


毎日新聞