フランス杯

フランス杯 「完ぺき」真央、5勝目


フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦、フランス杯最終日は17日、当地で女子フリーなどを行い、女子はショートプログラム(SP)首位の浅田真央(愛知・中京大中京高)が合計179・80点で制し、第2戦のスケートカナダに続く今季GP2勝目、通算5勝目を挙げた。


<女子シングル>


浅田真は出だしのトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒したが、その後のジャンプを完ぺきに決めてフリーも122・90点で1位となり、2位のキミー・マイズナー(米国)に21・06点の大差をつけた。沢田亜紀(関大)はSP12位から順位を上げ、合計99・18点で11位だった。


▽女子

(1)浅田真央(愛知・中京大中京高)179・80点(ショートプログラム56・90、フリー122・90)
(2)マイズナー(米国)158・74点(55・98、102・76)
(3)ワグナー(米国)158・63点(50・48、108・15)
(11)沢田亜紀(関大)99・18点(29・94、69・24)


◇アイム ハッピー−−連続ジャンプ決め、次なる目標へ

ふと浮かべた笑みが、天井に設置された大型スクリーンいっぱいに映された。観客席に明るい歓声が広がる。「アイム ハッピー」。浅田真は喜びの第一声を、練習拠点の米国で覚えた英語で口にした。


出だしのトリプルアクセルスケートカナダでは勝ちにこだわって封印した3回転半ジャンプは、回りきったが転倒した。「動揺した」そうだが、3回転フリップ−3回転ループをスムーズに着氷。SPで失敗した大技を決め、そこからは「落ち着いていた」と完ぺきな演技を披露した。


この会場でGP初優勝したのは、わずか2年前。それでも3位に入ったワグナー(米国)が「公式練習で、マオに初めて会って舞い上がってしまった」と話すように、今や世界中の選手があこがれる存在となった。そんな17歳に最も多くを求めるのが、浅田真自身だ。


アルトゥニアン・コーチは「自分に厳しすぎるほど完ぺきさにこだわる」と苦笑する。今季GP初戦を制したマイズナーに大差をつけて優勝しても、満足感に浸らない。


「次へのステップになる演技ができた。また一から練習したい」。連続ジャンプの壁を乗り越え、GPファイナルではトリプルアクセルを必ず決めるつもりだ。


<男子シングル>


▽男子

(1)パトリック・チャン(カナダ)214・94点(ショートプログラム70・89、フリー144・05)
(2)ボロノフ(ロシア)208・91点(68・70、140・21)
(3)プロベール(フランス)207・10点(72・70、134・40)
(7)中庭健介(パピオク)177・61点(62・70、114・91)


アイスダンス

アイスダンストリノ冬季五輪4位のイザベル・デロベル、オリビエ・シェーンフェルダー組(フランス)が規定からの首位を守り、合計194・14点で優勝した。


<ペア>


ペアは張丹、張昊組(中国)が196・96点で優勝した。


毎日新聞 2007年11月19日 東京朝刊)