スケートカナダ
スケートカナダ 真央、出遅れ3位
【ケベック市(カナダ)共同】
<女子ショートプログラム>
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第2戦、スケートカナダは2日、当地で開幕。女子ショートプログラム(SP)で浅田真央(愛知・中京大中京高)はジャンプのミスが相次ぎ、58・08点の3位と出遅れた。
冬季アジア大会優勝の中野友加里(早大)も3回転ルッツで転倒し55・94点で4位。GPデビューの武田奈也(早大)は52・02点で6位。ラウラ・レピスト(フィンランド)が59・18点で首位に立った。男子SPは世界王者のブライアン・ジュベール(フランス)が78・05点で1位。
◇武田奈也
一つ目のジャンプが跳べて緊張が解けた。ジャンプは100点だけど、スピンがぶれたり、スピードが遅かったり、全体で70点ぐらい。フリーも練習を信じて演技をしたい。
◇中野は転倒し4位
中野は3回転ルッツの転倒が響いた。3月に行われた世界選手権以来の国際大会で「緊張して体が硬かった。ジャンプで失敗して、ほかの部分で点数を稼ごうと思った」と言う。スピンなどで得点を稼いだことで要素点は浅田真を超えたが、女子SPで4位のスタートに表情は曇ったままだった。浅田真がフリーで用いるショパンの「幻想即興曲」で演技したが、SPは9月に新たに作り直したために調整の遅れも出た。「気持ちの問題。順位的なものも気になったと思う」と不本意な滑りを悔いた。
◇得意のジャンプで崩れ、ぼうぜん「ほかも駄目」−−首位と1.10点差
ジャンプの「申し子」浅田真がジャンプで崩れた。10月の日米対抗も午前の公式練習も失敗した冒頭の2連続3回転。この日も二つ目が回転不足となり、両手をつく大きなミスとなった。
「(GP)初戦で不安があった。迷いでタイミングがずれ、失敗が頭の中に残ってその後が考えられなかった」と言う。
着氷が乱れた3回転ルッツは、今季からの厳しい採点基準で踏み切り方が直前で違ったとして減点に。焦ったスピンは最低難度のレベル1。ステップも慎重になりすぎ、スピードを欠いた。
今季は演技に磨きをかけるため、荒川静香を指導したタラソワ・コーチにSPの振り付けを頼んだ。ロシアでバレエも学び、表現力を養ってきたが、ジャンプ以外も「駄目だった」。首位と1・10点差の3位に、ぼうぜんとした表情を見せた。
GPファイナル進出を考えると「3位のままでは厳しい。SPのことは忘れ(フリー1位の)世界選手権のようにいければいい」と話した。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で巻き返すつもりだ。
▽女子ショートプログラム
(1)ラウラ・レピスト(フィンランド)59・18点
(2)ヒューズ(米国)58・72点
(3)浅田真央(愛知・中京大中京高)58・08点
(4)中野友加里(早大)55・94点
(6)武田奈也(早大)52・02点
<ペア>
ペアSPは川口悠子、アレクサンドル・スミルノフ組(ロシア)が3位で、世界選手権3位のアリョーナ・サブチェンコ、ロビン・ゾルコビー組(ドイツ)が首位。アイスダンス規定はテッサ・バーチュー、スコット・モイヤー組(カナダ)がトップになった。
第2日は3日、ペアを行い、川口悠子、アレクサンドル・スミルノフ組はフリーも105・19点で3位となり、合計165・19点で3位に入った。アリョーナ・サブチェンコ、ロビン・ゾルコビー組がSP、フリーともに1位の合計188・63点で優勝した。
◇4回転は成功せず
ペアの川口、スミルノフ組はフリーの冒頭でスローの4回転サルコウに挑戦。成功すればGPなどの主要国際大会で史上初の快挙となったが、スミルノフに投げられた川口が惜しくも着氷で片手をついた。結成2季目でGP2度目の表彰台に立ったが、川口は残念そうな表情で「あとは気持ちの問題。スローのジャンプはジェットコースターみたいな感覚が好きなので、4回転を武器にしたい」とさらなる挑戦を口にした。
(1)ブライアン・ジュベール(フランス)78・05点
(2)ポンセロ(フランス)67・09点
(3)バトル(カナダ)66・85点
(毎日新聞 2007年11月4日 東京朝刊)