2007年8月


東京DOLL (講談社文庫)

東京DOLL (講談社文庫)


石田衣良らしいといえば、石田衣良らしい作品。ゲーム会社のカリスマクリエイターである主人公が、とある一人の女性と会うことから始まる物語。続編もありそうだなあ、と期待させる終わり方をしたので、次回作に期待です。感銘・感動を受けるタイプの文芸作品ではありませんが、エンターテインメント小説として楽しめる作品だと思います。(文体の軽さとか文章のスピード感とかが、ちょうどいいです)


ゲームクリエイターという主人公の職業や、文中に出てくる東京のオシャレスポット(という言葉自体、彼の小説のトーンとは合わないけど)、今、カッコイイと思われているイタリア家具だったり、ファッションブランド名だったり、というのが世相を反映していて、ある種の流行誌・社会風俗誌としても読むことが出来ると思います。


あと10年後にこの小説を読んだりするのは、今、田中康夫の『なんとなくクリスタル』を読むのと同じ感覚になるのだろうか。。。


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