ヘアースプレー

caltec2007-08-04



ブロードウェイの引越し公演『ヘアースプレー』をBunkamuraオーチャードホールにて観劇。表題のヘアースプレーとは、整髪料のヘアースプレーのことで、60年代のボルチモアを舞台に、ジャクリーン・ケネディばりのヘアースタイルのちょっと太めな主人公の高校生がミス・へアースプレー(ミスコン)を目指す、というストーリー(超簡単に言うと。。。)


オープニングから明るくノリのいいサウンドが展開され、ピンクピンクしたパステルカラーの衣装と相まって明るく楽しい世界が展開されていくのだが、物語が進むにつれ、この作品に語られる世界が楽しいだけの夢物語の世界ではなく、実はマイノリティーにスポットを当てた作品であることに気付く。


それは、白人社会における黒人差別の問題や、ミスコンの「美しい女性の価値観」だったりするのだが、歌とダンスが好きな太目な高校生の主人公トレイシーが、物語の展開の中でこうした問題と直面しながら現状を打破しようと孤軍奮闘する、というのが作品の大きな骨子になっているからだ。


まあ、ステレオタイプに陥りがちなこと、ラストの展開がいかにもアメリカ的な「成り行き的」ハッピーエンドに終わるところはあるにしても、音楽やダンスを楽しめ、かつ少し社会問題も考えさせられる、といういい意味でバランスの取れた明るいミュージカルだったなあ、という印象を受けた。でも、どう考えても主人公のトレイシーがミスになるとは思えないんだけど。。。まあ、御伽噺だからいいのか。


期待外れなことが多い「海外引越し公演」の中では、キャストの質もなかなか良かったように思う。


音 楽 : ★★★☆☆
脚 本 : ★★☆☆☆
演 出 : ★★☆☆☆
役 者 : ★★★☆☆
舞台/衣装 :★★★☆☆
満足度 : ★★★☆☆