四大陸選手権

caltec2007-02-09



とても息の長い申雪、趙宏博のカップル。実績通り優勝となりました。昔は技術は高いけど、芸術面が。。。などという評価ばかりでしたが、途中からは芸術面も磨きをかけて世界のトップに躍り出ました。ここ数シーズン故障もありなかなか思うような成績が残せないシーズンもありましたが、3月の世界選手権では良い結果を残してくれることを期待しています。

井上組、3位 優勝は申・趙組−−ペア


コロラドスプリングズ(米コロラド州)共同】


フィギュアスケートの4大陸選手権第2日は8日、当地のワールドアリーナで行われ、ペアは2連覇を目指した井上怜奈、ジョン・ボルドウィン組(米国)が前日のショートプログラム(SP)に続いてフリーも3位で合計175・48点の3位に終わった。


SP1位で昨年のトリノ五輪3位の申雪、趙宏博組(中国)がフリーでも1位となり、203・05点で4年ぶり2度目の優勝を飾った。


アイスダンスキャシー・リードクリス・リード組(川越ク)がオリジナルダンス(OD)9位ながら合計68・30点で規定からの7位をキープ。4連覇を狙うタニス・ベルビン、ベンジャミン・アゴスト組(米国)が98・17点で首位に立った。


◇ミスなし高得点


ペアは申雪、趙宏博組が200点を超す高得点で優勝した。「まだ時差ボケが残っている」と趙が言うように、決して万全の体調ではなかった。それでもフリーの演技はミスなしで、昨年の世界選手権で優勝した中国のライバル・ペアを20点近くも引き離した。


今回は序盤の連続ジャンプを「3回転−2回転」にしたが、世界選手権では連続3回転で臨む。申は「(引退撤回を)考えていくことになると思う」。世界選手権の結果次第では、現役続行の可能性が出てきた。

 
◇全米2位から演技修正「満足」


ペアの井上、ボルドウィン組は大会2連覇は逃したが、3位に納得の表情だった。


この日のフリーではアクシデントがあった。第1組のペアが演技中に男子選手のスケートが女子選手の顔に接触。流血騒ぎで第2組以降の演技時間がずれ込んだ。標高1800メートルを超える高地は普段とは違った。フリーの4分30秒を滑り切るのは苦しく、井上は「いつものような積極的なスケートはできなかった」と話した。


ミスもあった。今季失敗が多かった冒頭の3回転トーループは成功したものの、連続ダブルアクセル(2回転半ジャンプ)でボルドウィンが転倒。本人も「驚いた」という単純なミスだった。


それでも2人は「満足できる内容」と口をそろえた。1月の全米選手権でまさかの2位。わずか2週間の調整で乗り込んできたこの大会で、演技を修正できた。3月の世界選手権(東京)に向け、さらに演技の精度を高めるつもりだ。


(毎日新聞 2007年2月9日 東京夕刊)


女子は微妙な結果になりましたね。ただ1位から6位までの点差があまりないので、フリーの結果次第ではマイズナーの逆転優勝も可能かとは思います。SP1位のときのロシェットは、緊張して大体フリーでミスって自滅というパターンが多いので。(ロシェット、貫禄十分に見えますが、まだ19歳だからな。ロシェットと同じくカナダ代表の、今恩田選手のコーチをしているシュワナールも現役の頃は実力があるのに、本番で実力を発揮できないタイプだったからなあ。カナダの女子選手はプレッシャーに弱いのだろうか?隣国アメリカとカナダ選手の違いは大きいですね)


村主選手は。。。お疲れ様でした。これが今季最後の試合になるのですが、グランプリファイナル以降は疲れが一気に来たようで、グダグダだったような印象を受けました。おそらく本人のなかで歯車が合っていないのだと思うのですが、それが「勝つこと」への執着心によるものだとしたら、昔のような「お客様の前で滑れるだけで幸せです」といった心境に戻った方が歯車が噛み合うような、そんな気がします。

新鋭・沢田、女子SP3位 恩田7位、村主12位


コロラドスプリングズ(米コロラド州)共同】


フィギュアスケートの4大陸選手権第2日が8日、当地のワールドアリーナで行われ、女子ショートプログラム(SP)は沢田亜紀(京都・京都外大西高)が自己ベストの55・13点で3位につけた。恩田美栄東海学園大職)は49・38点で7位。村主章枝(avex)は46・09点で12位と振るわなかった。カナダ選手権3連覇のジョアニー・ロシェット(カナダ)が56・60点で首位。昨季の世界選手権女王のキミー・マイズナー(米国)は6位と出遅れた。


◇思わぬミス連発


村主が思わぬミスを連発し、女子SPで12位と大きく出遅れた。演技前半で、得意にしていた3回転ルッツ、3回転フリップでいずれも転倒。最後までリズムをつかめないままの演技となった。冬季アジア大会後、そのまま渡米して臨んだ今大会。村主にとって悪条件が並んだ。「やはり連盟が(冬季アジア大会とこの大会に出るように)いってくれたので」。選ばれた限りは全力を出し切る覚悟だった。しかしその思いを演技につなげることはできなかった。「(不調の)原因は何となく分かっている。でもうまく合わせられない」。サバサバした表情の村主。関係者によると、転倒で首を痛め、フリーの出場は微妙という。


◇準備はしてきたが


女子SPの恩田は納得できない演技だった。以前にもコロラドスプリングズの高地を経験しており、それなりの準備はしてきたという。しかし本拠地をカナダに移してから、文化の違いに悩む日々が続いた。最近ではコーチとの間で意見の食い違いもあり、「その中で試合をするのは難しい」。精神面での不安定さが演技に表れてしまった。


◇堂々の滑り、自己ベスト−−「デコピン」で気合


シニア1年目の沢田が、堂々の演技で女子SP3位に食い込んだ。有力選手が次々にミスを犯し大波乱の展開。ところが最終滑走の沢田は「誰も見ていなかった」と、自分のことだけに集中してリンクに立った。


開始早々に3回転−2回転の連続ジャンプを成功しリズムに乗ると、その後も安定した演技でミスなく終えた。55・13点はこれまでの51・97点を上回る自己ベストで、「一番うれしい」と無邪気に笑った。屈託のない笑顔とは裏腹に、高地の悪条件を聞かれて「ここはただのアメリカだと思って滑っていた」とバッサリ。そんなずぶとさが、この日の演技を支えたようだ。


2001年に全日本ノービス選手権に勝って以来、演技前にコーチに「デコピン」をしてもらう験担ぎをこの日も行った。演技後、上位3人が出席する記者会見でも外国メディアから関心を集め、「笑われちゃいました」と苦笑いした。


10日のフリーについては「また自己ベストを狙いたい」。成績以上に自分の演技。SP同様、自然体で滑るだけだ。


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