木村伊兵衛のパリ展

caltec2007-01-19



銀座にあるメゾンエルメスの8階ギャラリースペース「フォーラム」にて「木村伊兵衛のパリ」展を鑑賞する。


イケメンのお兄さんにエントランスのドアを開けてもらい、銀座のエルメスに入る。入ると同時に店員に「いらっしゃいませ」と恭しく迎えられるが、展示してあるエルメスの製品には目もくれず、一階奥にあるエレベーターに直行するcaltec。そう、エルメスギャラリーは銀座エルメスの8Fにあるのだ。


エレベーターを降りると、そこには大きな展示パネルが掲げられており、木村伊兵衛の 世界へと誘われた。


1950年代のパリが舞台なのであるが、目の前には優雅なパリ、オシャレなパリというよりは、パリに暮らす庶民の視点から見た、日常生活としてのパリ、ちょっとくすんだ感じのパリが広がっていた。個人的に、写真には、カメラアングルにこだわった美しい情景が広がる「芸術としての」作品より、こうした文化史・風俗史的な「記録としての」作品を求める傾向にあるので、興味深く見られたことは確かだ。


本展覧会では人物に焦点が当てられている作品が多かったため、表題にあるように「パリ」を楽しめたかというと疑問で、どちらかというとパリに暮す「市井の人々」を楽しんだ、という感じがした。


何はともあれ、エルメスのようなメゾンが無料で定期的に美術展示を行ってくれるのは嬉しい限りである。こうした情報提供もまたブランドの持つ付加価値を高める試みの一環である、ということなのだろう。


満足度:★☆☆☆☆