宝塚雪組公演

caltec2006-12-19



雪組トップコンビ、朝海ひかる舞風りらの退団公演を観劇。


「堕天使」の方は、冒頭から朝海演じる堕天使ルシファーのダンスシーンから始まり、ダンスが売りのトップの魅力をのっけから演出している。彼女の長所を引き出すべく、人間ではない設定(所謂典型的なダンディな「男役」よりは天使や狼人間など人間ではない役の方がこのトップの魅力を引出している)、ダンスシーン満載で逆に苦手部分(歌、芝居)を隠す工夫がされていたと思う。


ただ残念なのは朝海と同じく本公演にて退団する娘役トップ舞風りらの登場するシーンの少なさと人物設定だ。あまりに出てこないので、今回の公演で大抜擢を受けた大月さゆを見て、「ひょっとして代役?」と思ってしまったくらい。実際に舞風に充てられた役自体は、演技力もダンス力も必要とする役であるので、彼女の魅力を活かす設定ではあるのだが、病気で死んでいく役が最後というのは、なんだかあんまりな気もした。


最後に次期雪組トップの水夏希が去り行く朝海に向かい「忘れない」と語る台詞など、本公演が現トップのサヨナラ公演であることを随所に匂わせる脚本となっていたように思う。


休憩を挟んでのレビュー「タランテラ」だが、なんともいえない不思議な印象を受けた。レビュー自体にあまり興味がないため、個人的には内容をよく理解していないのだが、タランテラが世界各国を旅するような設定になっていた模様。前半のミュージカルと同様、ダンスが得意な朝海・舞風の魅力を最大限に発揮すべく、様々な様式のダンスをトップが踊りまくり、歌が得意な人が歌い上げまくる、という構成だった。


ただ、レビュー作家としては定評のある荻野の作・演出だけあって、ファンの間では人気だったみたいだ。隣席の女性は、ずっと両手を胸の前で握り締めて、公演を見守っていた。


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