名画とお別れ

caltec2006-04-04

こんな記事を発見! もうクリムトの「アデーレ・ブロッホバウアーの肖像」が観られないのか、と思うと残念です。。ベルベデーレ美術館は、元宮殿という建物を見るだけでも価値はありますが、その豊富なクリムトコレクションの展示内容の豪華さも売りのひとつで、かなり見ごたえがありました。


もちろん元宮殿なので、庭園もすばらしいし、併設されていたカフェもとても雰囲気が良かったです(ただ学芸員(高齢の女性の方)の態度が、東洋人を小馬鹿にしたもので、とーっても不愉快な思いをしたのですが!!!)。

クリムト名画の買い戻しならず


オーストリアを代表する画家グスタフ・クリムト(1862―1918年)の絵画作品五点について、ウィーンの裁判所が元の所有者の相続人であるマリア・アルトマンさん(89)への返還を命じてから2カ月。オーストリア政府を巻き込み、官民で買い戻し方法を協議してきたが、妙案は見つからず、絵画はアルトマンさんの住む米国に渡る見通しになった。


絵画は近代美術の名作「アデーレ・ブロッホバウアーの肖像Ⅰ、Ⅱ」の2点を含み、時価総額は合計で推定2億―3億ユーロ(約280億―420億円)とされる。ナチス・ドイツが1938年にオーストリアを併合後、ユダヤ人資産家フェルディナンド・ブロッホバウアー氏(46年死亡)から略奪し、ウィーン市内で展示してきた。


オーストリア側は当初、ブロッホバウアー氏の妻が作品をオーストリアの美術館に寄贈する遺言を残していたと主張した。相続人のアルトマンさんはブロッホバウアー氏が家族に相続させたと反論していた。両者の争いは99年から続いていたが、裁判所は遺族に所有権があると認定し、返還を命じた。


判決後、オーストリア国内では貴重な文化遺産の買い戻し方法を協議してきた。国民から一律20ユーロ(2800円)の寄付を募る案や、無利子の百年国債の発行案などが出たが、いずれも立ち消えになった。


作品との別れを惜しむように、展示最終日となった2月2日、ウィーンのベルベデーレ美術館には長蛇の列ができた。作品はすでに撤去され、返還準備が進んでいる。遺族側は作品を売却する意向を示し、将来的にはどこかの美術館で展示される可能性がある。


ウィーン市内には「さよならアデーレ」と題した広告・写真・も現れ、あきらめムードが漂うが、オーストリア文化人の間で寄付を募るための財団設立構想が持ち上がり、国内に残す試みはなお続いている。クリムト・ファンたちはかたずをのんで成り行きを見守っている。


(ウィーン=桜庭薫)日経新聞より


ウィーンは美術好き、とくに近代・現代アート好きには面白い街だと思います。かなり前提的な作品も国立の現代美術館で企画展していたりするし。今回話題になっているクリムトに代表される世紀末ウィーンの作品を受け入れた土壌があるだけに、革新的なものが比較的受け入れやすいのかなあ。。と旅行していて思いました。


MAKという美術館があるのですが、ここの展示方法や企画展もおもしろかったです。今まで観た美術館の中で一番好きかもしれません。館長の斬新的・革新的な美術館改革が成功しているんだなあと、すごく感心したのを覚えています。また行きたいなあ。