世界ジュニア選手権
トリノオリンピックに出ていれば有力なメダル候補だ、と一時期マスコミが騒いでいた浅田選手ですが、意外なところに伏兵が。。。連覇の期待がかかった世界ジュニアは同い年のライバル、韓国のキム・ヨナに次いで2位という結果になりました。
フリーに関しては、ジュニアとシニアでは演技時間がシニアの方が30秒長いため、演技構成が変更になり、若干演じづらいとは思うのですが、今回の浅田選手の演技はジャンプが不調でそれにつられてかスケーティングも本来の出来ではなかった気がします。
しかし、優勝したキム選手ですが、3つのスピンが全てレベル4を獲得するなど、かなりのツワモノです(一方、浅田選手は今回はスピン全てレベル3でした)。「陽」の浅田選手と「陰」のキム選手というような印象を受けたのですが、この2人が参加するであろう来年の東京での世界選手権、表彰台には誰が乗っているんでしょうか?
浅田真央は2位、連覇ならず フィギュア世界Jr.
フィギュアスケートの世界ジュニア選手権第4日は9日、スロベニアのリュブリャナで女子自由を行い、大会初の2連覇を狙った浅田真央(グランプリ東海クラブ)は153.35点で2位に終わった。金妍児=キム・ヨナ=(韓国)が177.54点で初優勝を飾った。
SP2位の浅田は、冒頭に予定していたトリプルアクセル(3回転半)ジャンプが回転不足で1回転半に。後半にもジャンプのミスが相次ぎ、得点が伸びなかった。
このほかの日本選手は、武田奈也(東京・日本橋女学館高)が129.09点で4位、沢田亜紀(京都外大西高)は126.15点で5位だった。
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「ジャンプの真央」が跳べなかった。
冒頭の大技トリプルアクセル。「一瞬だったので、覚えていない」。踏み切りのタイミングが合わず、跳んだ瞬間に失敗と分かった。「パンク」と呼ばれる回転不足の失敗ジャンプだ。
これで余裕がなくなった。徐々に滑りのスピードは落ち、スピンやスパイラルは精彩を欠いた。後半の3回転ジャンプでもパンク。得点表示を見るまでもなく、直前に滑ったライバル金の華麗な演技に見劣りした。
今季、シニアの国際大会にデビュー。荒川静香(プリンスホテル)やイリーナ・スルツカヤ(ロシア)を破った。一度制した世界ジュニアの目標を「4回転ジャンプ、SPでトリプルアクセルを決める」に定めた。そこに落とし穴があった。
スロベニア入りしてから、ジャンプの調子を落とす。跳び方も回転数も違うジャンプにこだわるあまりの不調。4回転をあきらめ、トリプルアクセルに絞った。自由のトリプルアクセルも1度に減らした。本人は「絶好調ぐらいには戻ったんだけどなあ」というが、キレは戻っていなかった。
浅田は「今季最悪の試合。こんなに悔しいのは、(二つ年上の姉の)舞に、小学生の時に負けて以来かな」。気丈に笑ったが、目は赤かった。
「ジャンプにこだわりすぎた面がある。でも、いつかは壁が出てくる。この経験でもっと大きくなって欲しい」と山田満知子コーチ。まだ15歳。敗戦から何を学ぶかが、大切だ。
(朝日新聞:2006年03月10日09時29分)
浅田真央「レベル上げる」 金とライバル物語
「真央と同じ年で同じくらい上手な選手は初めて。去年よりうまくなってると思った」。浅田が小さな声でつぶやいた。シニアで快進撃を続けてきた日本の天才少女が、初めて同世代の選手を「追う立場」を意識することになった。
金妍児=キム・ヨナ=(韓国)は身長161センチの細身。憂いを帯びた表情で、しっとりと踊る。自由演技では、荒川静香(プリンスホテル)の代名詞ともなった「イナバウアー」から、2回転半―3回転ジャンプを着氷。流れるような滑りに、観客は魅せられた。
韓国は決してフィギュアが盛んではない。しかもスケートを始めたのは8歳と、この世界では遅い。4年前から指導する金世烈コーチによると、大会前に右足首を痛めて万全ではなかったというのだから、末恐ろしい。
浅田は「(金に比べて)真央はジャンプだけ。ジャンプを失敗したら負ける。スパイラルもステップもスピンも、もっとレベルアップしないといけない」。2人とも、トリノ五輪は年齢制限で出場できなかった。最低でも10年バンクーバー五輪まで続くであろう日韓ライバル物語が、始まった
(朝日新聞:2006年03月11日13時13分)