前川國男建築展

caltec2006-03-05



前々から観たいと思っていた「前川國男建築展」@東京ステーションギャラリーに行く。会期が2ヶ月以上もあるためいつか行くだろうと思っていたところ、最終日になってしまい、慌てて駆けつけたというのが正直なところ。


開催最終日かつ久々のポカポカ陽気の日曜日、そして東京駅に併設ということもあってか、会場はかなり混んでました。東京ステーションギャラリーの展覧会で入場券を買うのに並んだのは今回が初めてかもしれない。建築系の展覧会に行くと、普段絵画系の展覧会で見かけるような客層とは違い、建築を学んでいるであろう学生(結構似たタイプの人が多い)や建築関係者(40代男性多し)が多く、そういった人たちの行動やファッションを見るのもまた楽しかったりもするのですが。。。


今回の展覧会の感想ですが、年代やテーマを追って前川の建築がどう変わっていったか理解できる構成になっているのですが、展示内容が概略の文章説明から彼の設計図、デッサン、そして実際の建築物の写真と模型で構成されており、建築を学んでいない人にとっては、その設計図と建築物の一部を切り取った写真からは前川建築の全体像をつかむのはなかなか難しく、玄人向けの展示方法なのかなあ、という印象を受けた。つまり、設計図を見て実際の建築物をイメージできる力量が万人にあるわけではないので、そこに何らかの翻訳作業をしないと「わかる人だけがわかる」展示方法になってしまうんだな、という思いを強くした、ということ。


前川建築については、公共の美術館、音楽ホールで実物を目にしているし(なんと僕が通っていた大学の建物にも彼の作品があったのですね)、親が建築関係の仕事をしていて設計図を見るのも苦にはならない方なので個人的には面白かったのですが、建築家の展覧会としては、以前見た黒川紀章展の方が建築家の全体像を把握するには良い企画・展示内容だったなあ、という気がします。


満足度:★★☆☆☆