トリノオリンピック

caltec2006-02-22



注目のフィギュアスケート女子シングルのショートプログラム(SP)が行われた。今まで予想外のメダル0である日本にとって、待望のメダル獲得なるかという期待と、もともと安藤や荒川・村主に対する期待と、両方の意味で今回の女子フィギュアは注目されているようですね。。


結果は、荒川3位、村主4位、安藤8位。なのですが、荒川を含むトップ3が66点台に並び、それを追う4位の村主が61点台、5位が59点台、という点数を見る限り、上位陣にミスがなければ現在のトップ3がメダルを獲得するという可能性が高くなってきたように思えます。村主は柔軟性に欠けるため、スピンとスパイラルでレベル4を取れずに技術点が伸びないのが惜しいですね。(わかりやすく言うと)ビールマンが出来ると高得点が取りやすいというのもどうかなーとは思いますが、新ルールだとちょっとキツイだろうなあ、というのが正直なところだと思います。


ただ、今日の演技は良かったし、海外も含めて村主の点数は低いのではないか、という意見があったことも事実で、良い演技をしていけば、フリープログラムのPCSがSPより多角なることは十分ありえるので、フリーにも最善を尽くしてもらいたいと思います。


荒川選手は気迫みなぎる演技でよかったと思います。途中少しバランスを崩すような場面もあったように思えますが、それであの技術点なのだからやはり彼女の技術力というのはすごいものなんだなあ、と。年明けに曲変更をしたため、フリー演技はまだ見たことがないので楽しみにしています。高難度の要素を入れすぎたために、プログラムを滑りきれていない、未消化のまま試合に臨んでいる、というのが昨年〜今季今までの彼女の演技だったと思うので、オリンピックという大舞台では、きちんとプログラムを滑りきり、自分のもてる力をそのまま発揮してほしいと思います。

ついにメダル見えた! 荒川3位、村主4位 [ 02月22日 17時05分 ]


トリノ21日=久保武司


ついにメダルが見えた−。不振が続く日本勢の最後の砦、フィギュアスケート女子のショートプログラム(SP)が行われ、日本の荒川静香(24)がトップと0.71点差の3位と好発進。金メダルを狙える位置につけた。村主章枝(25)は荒川に次ぐ4位、とこちらもメダル射程圏内。安藤美姫(18)は8位となり、フリーでの4回転ジャンプで逆転に賭ける。首位は米国のサーシャ・コーエン(21)、世界チャンピオンのイリーナ・スルツカヤ(27)が0.03差の2位。その注目のフリー演技は、23日午後7時(日本時間24日午前3時)から行われる。


金メダルの大本命、スルツカヤが、同じ第4グループの1番手で登場し、演技者18人目で、この日初めて60点台をマーク。しかも66.70点という高得点。金メダル争いの主導権をがっちり握ったことで、続く2選手がともに失敗演技に終わるなど、嫌なムードが流れていた。


しかし荒川は、自らのベストでその嫌な流れを断ち切った。スルツカヤと同じ、3回転ルッツ→2回転トーループを見事に決め、3回転フリップも成功。


「私の場合、最後のスピンまで、気を抜けない過去があるので、『ひとつひとつ取りこぼさないようにしないと』」と思いながら、長身を生かした大きな演技。今回から採用された「絶対評価」の新採点方式で、2分50秒の演技中、定められた8つの要素(ジャンプ3、スピン3、ステップ2)を見事にこなし、大観衆を魅了した。


「キス&クライ」での表情は、正に満面の笑みで、「マイ・パーソナルベストだったから」。演技終了時にも確信に近いものがあったのか。得点は、66.02と大きく自己ベストを更新する結果となった。


「今季はここまでベストを更新できなかったから。完璧(かんぺき)ではなくても更新できたのでびっくりしました。そこまで基礎力が上がったのかなぁ」と少しはにかみながらも、充実の表情だ。


最終的に、最終演技者のコーエン(米国)がスルツカヤをわずかに0.03ポイント上回り、順位は3位となったが、トップまでの差はわずか0.71点。金メダルを完全に視界の中に置いた格好だ。


トリノ五輪を「選手生活の集大成の五輪」と位置づけた荒川。その集大成を理想に近づけるために、実は、2つのタブーへ挑戦していた。


1つは、3年間をともにしたタチアナ・タラソワコーチとの決別。フィギュア界では、各国の連盟が有力選手に合うコーチを選定するのが普通だが、荒川は五輪直前になって、自らの意志でコーチを変えた。「チャンピオンメーカー」の名をほしいままにするタラソワコーチだが、大物だけに順番待ちやドタキャンなど、練習は決して思い通りにならず、ニコライ・モロゾフコーチの門をたたいた。10歳から日本連盟の強化策通りにやってきた荒川が、初めて自分の意志を押し通した出来事でもあった。


もう1つのタブーは、この日新たに告白した。「実は靴を右足だけ変えました。欧州に入る1週間前、右足だけです。(フランス男子フィギュアの)ブライアン・ジュベールにもらったくるぶしのパットがぴったり合って、今日に臨めた」この変更は、荒川の苦境の中で生まれた。右足かかと痛を抱えていたというのだ。


「1カ月前から痛くてたまりませんでした。でも、私は変にプラス思考がある方が気を抜かずにできる。練習中に左肩を外したこともあって、04年の世界選手権(優勝)のときも左太ももを痛めていて。そういうときの方がいいのかなぁ」


98年長野五輪に16歳で出場したときは13位。「8年前は何がなんだか分からなかったが、今回は緊張した中でも落ち着いてできた」と振り返った荒川。「安心せずに明後日につなげていきたい」と早くも気持ちを切り替えたフリーの曲は、これも直前になって変更したプッチーニの「トゥーランドット」。直前の変更にも動じない強い精神力で、その瞳には、集大成にふさわしいメダルの色を映している。


SPの結果、23日のフリーには、日本の3人を含む上位から24人が進出。8位につけた安藤は第3組で14番目、3位の荒川が最終第4組の21番目、村主は同22番目に滑走することになった。SP首位のコーエン(米)は荒川の前で20番目、小差で2位のスルツカヤ(ロ)は大トリの24番目に登場する。


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