アンナカレーニナ

caltec2006-02-21



ル・テアトルにてアンナカレーニナを観劇。観終わった感想を一言で言うと「これって本当にミュージカル?」。歌のついたストレートプレイにしか思えなかった。個人的には「ミュージカル」というくくりにしてしまうのは、反対。せめて音楽劇くらいにしないと。


あまりに芝居の部分が多すぎたのと、とにかく話の内容が暗くて重すぎたことで、あまり観終わったあと良いなあ、という感じは残りませんでした。たとえて言うなら「もうお腹一杯です」という感じで。


アンナ(一路真輝)とアレクシス(井上芳雄)のメインカップルが破壊的なラストへ向かってどんどんと暗く重くなっていくので、もう一組のカップル、コンスタンティン葛山信吾)とキティ(新谷真弓)は重くならないようにという演出&キャスティングだったと思うのですが、この2組の色があまりにかけ離れていて、舞台のトーンが統一されていなかった感を受けました。


びっくりしたのはアンナの兄スティーバ役の小市慢太郎で、すっごく突き抜けたお調子者キャラを演じていて「救命病棟24時」の演技とは全く違っていて驚きました。観ていていいなあ、と思ったのは、アンナの夫ニコライを演じていた山路和弘。怖い人、嫌なやつなのかな?と思っていたのですが、アンナを愛したが報われない男の寂しさや、彼なりに子供を思う不器用な優しさが滲み出てくるようで、一番感情移入できました。この人、いつ見てもいいなあ、と思います。


しかし井上君の音程の正しさにはいつも関心してしまいます。まあ、それは裏を返すと、主要キャストの中で音程が不安定な人が多いということ、なんだろうなあ。実力派のアンサンブルと華があり客を呼べるメインキャスト。舞台って、はやりある種不平等な世界だよなあ。


音 楽 : ★★☆☆☆
脚 本 : ★★☆☆☆
演 出 : ★☆☆☆☆
役 者 : ★★★☆☆
舞台/衣装:★★★☆☆
満足度 : ★☆☆☆☆