Classic:マリンスキー歌劇場管弦楽団

caltec2006-01-10



マリンスキー歌劇場管弦楽団のコンサートに行ってきました(東京オペラシティコンサートホール。指揮は、ワレリー・ゲルギエフ!)。まあ、目的はソロの上原彩子諏訪内晶子の演奏を聴くことだったのですが、この公演、昨年末に急遽決まったようで、アナウンスがなかったこともあり、なんとかチケットを取れた公演だったのですが、行ってビックリしました。


いつものクラシックコンサートの雰囲気とは違う!なんとなくゴージャス!


それもそのはず、この公演は今年一年間の「ロシア文化フェスティバル2006 in Japan」のオープニング・ガラ・コンサート公演にあたっており、冒頭に国会議員の森喜朗さんと、ロシアの国防長官だかの挨拶があったものだから、とてもビックリしました。


そうか、どおりで観客の顔ぶれがいつもと少し違うわけだ。


さて、期待していた演奏の方はというと、歌劇団直属のオケだけあって、ドラマチックに盛り上げるところは盛り上げ、泣かせるところは泣かせる、という浪花節的なこのオケに、繊細で美しい音色を特色とする諏訪内さんの演奏は合わなかった、気がします。上手い下手というより相性の問題なのかな。


曲は彼女が得意なプロコフィエフの1番だし、これまでの公演でも何度なく聴いてきて、「やはり諏訪内さんのプロコは音色が豊富で味がある」と思っていたので、彼女の実力がないわけでは決してないと思うのです。第1楽章、第2楽章は、懸命にバイオリンを張り上げる諏訪内さんと、自分たちは自分たちで歌い上げるオケとの接点がみつからず、かなり一人孤軍奮闘する諏訪内さんの姿が見られました。


ただ、第3楽章になると、両者の演奏も噛み合ってきて、もともと持っている諏訪内さんのドルフィンの巧みな音色と、オケの多彩な表現が融合してきて、聴いていて「おお、こんな風になるのか」と楽しかったりもしたのですが。。。
このオケにはグイグイと力技で勝負するソリストの方が向いているのかもしれないですね。


オープニングを飾ったのは上原彩子チャイコン(第一楽章のみ)だったのですが、こちらもやはりピアノとオケが噛み合っていなかったような気がします。


メインのラフマニノフ交響曲第2番は、このオケの多彩な音色、ダイナミックでドラマティックな演奏がよく表現されていて、聴いていてかなり良かったです。眼を閉じると風景が広がっていくようで、その表現の幅の広さには驚かされました。


ただ、良くも悪くも人間臭くて、土臭い印象はぬぐえず、「洗練」という言葉では決して語られることがないのは、このオケの特徴なのかなあ。そういう意味では諏訪内さんとは合わないなあ、とラフマニノフを聴いて再実感したりもしたのでした。


東京オペラシティコンサートホールは音響がよくないのかな、中央がゴチャゴチャして聞こえるのと、金管がやたらと耳障りでした。それともオケのせい?