2005年12月

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オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)

これは文句なしに面白い。知的好奇心が満たされます。1930年代のロシアや1960年代の冷戦時代の東側諸国(プラハソ連)の様子について歴史的な考察が出来るのと同時に、オリガ・モリソヴナという一人の女性の過去についての謎解きも同時に楽しめて、一石二鳥いや、三鳥も四鳥も味わえるくらい中身がギッシリとつまった本だと言える。今年読んだ本のなかでもベスト3に入る。本書は2003年度のBunkamuraドゥマゴ文学賞の受賞作品なようです。

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聖家族のランチ (角川文庫)

聖家族のランチ (角川文庫)

これはラストに至る展開が少し異常。物語の途中までは各登場人物の価値観だとかを丁寧にかつ意地悪く描いていくのだが、途中から物語は急変する。ここに至っていままでバラバラだった家族がひとつにまとまっていくのだが、その展開はちょっと強引過ぎるような印象を受けた。なんとかクライマックスへと導こうというあまり、それまで丁寧に描いてきた家族一人ひとりの心情は無視され、出来事・行動が描かれ続けるからだ。
ある出来事を期にどのように家族がまとまっていくのか登場人物それぞれ(父母姉弟)の心情がもっと描かれていくとより面白いものになったのになあ、と思う。カリスマ主婦の料理研究家、大企業の経営不振、新興宗教など現代の世相が取り入れられているのはいいのだけれど、あまりにステレオタイプ過ぎるきらいも少しあるような気がする。

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日本フィギュアスケート界の偉大なるコーチ、佐藤信夫佐藤久美子夫妻の著書(本当は著書というより、彼のインタビューを文字におこして一冊の書物にしたのだと思いますが)。両者とも全日本チャンピオンであり、オリンピック出場経験もある。また世界チャンピオン佐藤有香の両親でもあり、数多くの世界レベルの選手を育ててきている(現在佐藤信夫村主章枝中野友加里のコーチ、佐藤久美子荒川静香のコーチをしている)。
両者の選手時代の話、コーチになった経緯、娘有香との思い出、そして現在のコーチングスタイルへと話は展開していく。日本のスケートの黎明期の話などを興味深く読んだ。

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Cutting Edge―日本男子フィギュアスケートオフィシャルファンブック

Cutting Edge―日本男子フィギュアスケートオフィシャルファンブック

今まで本田武史が10年に渡り牽引してきた全日本男子ですが、今年はこの本の表紙が示すとおり、高橋大輔織田信成の両雄がリードする時代へと世代交代されましたね。さらに面白いのは彼らに続くジュニア世代が着実に育ってきており、あと数年すれば女子と同じように群雄割拠時代へと突入していくんだろうなあ、というのがこの本を読んでいると良くわかります(全日本選手権の演技を見て、小塚君に将来性を感じました)。
いろいろと批判されることも多い城田憲子強化部長ですが、次世代の成長という意味では彼女発案の野辺山合宿は確実に効果を発揮していると言えるでしょう。

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ワールド・フィギュアスケート 20

ワールド・フィギュアスケート 20

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とうとう終わってしまいました。ハワイ→沖縄というこの物語の舞台を改めてみてみると、なんと、ロハスLOHAS:Lifestyles Of Health And Sustainability)というキーワードで取り上げられる土地なんですね。最後は魂が救われるような終わり方でよかったです。BANANA FISH、夜叉、イヴの眠り、3部作は完結なのでしょうか?

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桜蘭高校ホスト部(クラブ) (7) (花とゆめCOMICS (2867))

桜蘭高校ホスト部(クラブ) (7) (花とゆめCOMICS (2867))

とうとうテレビ化決定!のようで。。。声を誰が担当するのか、ちょっと楽しみではありますね。

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