風を結んで

caltec2005-07-02



TSミュージカルファンデーションの「風を結んで」@サンシャイン劇場を観劇。実を言うと、ここ最近観たTSミュージカルファンデーションの作品「タン・ビエットの唄」「タック」の内容がイマイチ、、と思っていただけに、どうなんだろう?と思いながら観たのだが、良かった。
やはり「砂の戦士たち」のような群像劇の方が僕は好きだなあ。(「タン・ビエット」も「タック」も主役がいるのだが、「風を結んで」はどちらかというと群像劇で、登場人物一人の扱いが前2作品より大きい気がする)


明治初期の元侍達の話が語られているのだが、そこには現代に通じるもの(今まで信じてきた価値観の喪失だとか、社会の激変にいかに対応していくかとか)が垣間見られるし、今まで信じてきた生き方を貫いていこうとする武士の生き様も見ることができる。見る人によって感情移入する役も違うだろうし、また見方も大きく変わるだろうと思う。


狂言回し的な役どころの「鈴木綜馬」、希望を背負っていく役どころの「坂元健児」、そして武士の生き方を貫く「今拓哉」。この主要3人にスパイスとしての笑い所、押さえ所担当として「畠中洋」「川本昭彦」、そしてTSではおなじみの面々(福永、幸村、平野)。
毎回出演する元宝ジュエンヌは、革新的な考えを持ち未来を切り開こうとする役の「絵麻緒ゆう」(本人のキャラと役がぴったり)とそれとは対照的に献身することを喜びとする古風な女性を演じる「風花舞」。


これら出演者が適役をあてがわれ、観ていて大いに楽しむことができた。3時間強という長い上演時間だったと思うが、1幕はあっという間に終わってしまい、クライマックスに至るまでの展開も見ていて飽きさせない。強いて言えば2幕前半の坂元・畠中・川本の絡みの芝居が長すぎる感がしたくらいか。まあ、これはサカケンの台詞まわしがあまり好きではないという僕の好みの問題かもしれない。。。 やはりサカケンの台詞は僕は苦手。歌声はすごく好きなんだけど、どうして芝居の台詞回しはイマイチなんでしょう。。。今回も一人だけ違っていました。イントネーションが微妙なのは、訛っているだけなのかな? 身体能力も高いし、歌も上手いだけに、いっつも「惜しい!」と思いつつ、観ています。


今回の作品では、ひたすらにコミカルな演技を突き進む畠中さん(相当体力を使いそう)とまさに適役!と思えた絵麻緒ゆう、そして(実はかなりその場面を引き締めてくれていた)川本昭彦がとても印象に残った。東京楽日前日に観たのだが、もっと前に観ていたらリピートしていたかもしれない。残念ながら楽日は完売だということで、2回目の観劇には至っていないのであった。