モーツアルト!

caltec2005-06-21



モーツアルト!」@梅田芸術劇場を見る。
今回はWキャストは、ウォルフガング:中川晃教、ヴァルトシュテッテン男爵夫人:香寿たつき の組み合わせ。これにコンスタンツェ:西田ひかる という組み合わせは大阪でしか実現しないため、観てきましたよ、大阪にて。


まずは、今回初見キャストについての率直な感想から。ヴァルトシュテッテン男爵夫人:香寿たつき は、久世星佳(もう一人の男爵夫人:Wキャスト)よりも歌が上手く、声もかわいらしい。そして何より押し出しが強く、舞台のどこにいても目立つ。香寿と久世、どちらも宝塚元トップスターだが、宝塚を引退してからの年月が短い分だけ、香寿の方がスポットライトを浴びるオーラを持っているということだろうか?


ウィーンの社交界の華として活躍している男爵夫人が香寿なら、ウィーンの社交界の重鎮として(表立って派手に目立つことはないが)高貴に凛と構える男爵夫人が久世、といったところだろうか。2人の作り上げる男爵夫人像が違うものだけに好みは分かれそうだ。


香寿は歌が上手く、歌い上げる分、その歌の上手さがが仇になってこのミュージカル1のナンバーと言ってもいい「星から降る金」の時にはリサイタル状態になっていた気はする。博多座中日劇場の男爵夫人はこれまた元宝塚トップスターの一路真輝。この3人の作り出す男爵夫人像の違いというのも比較すると面白うだろうなあ。。。


タイトルロール、ウォルフガング・モーツアルトを演じる中川晃教は、今までよりも芝居で成長した感がある。前回は「舞台に立つことが嬉しくて仕方がない」といった雰囲気が、そのままヤンチャなモーツアルト像につながり、あの強烈な歌唱力とも相まって「ウォルフガングはこの人しかいない!」と思ったのだが、今回は、より深みをもって演じられた、というところか。。。
ただ、その分落ち着きが増してしまい、前回の公演のような天真爛漫さが薄くなったような気はする。彼の歌唱力は相変わらずではやり、聴いて感心してしまった。


父親レオポルト役の市村正親、コロレド大司教役の山口祐一郎、このミュージカル界の重鎮2人が一緒の舞台に立つ公演はこの「モーツアルト!」くらいだと思うが、年々彼らの歌のテンポが怪しく(遅く?)なってきているのは確かではないか。。。うーん。。。


今回は再演になるわけだが、主要キャストのほとんどが続投であり、またアンサンブルも厚みが増した(歌が上手い人が多い)こともあり、舞台の完成度としてはなかなかのものだったと思う。


個人的には、いつも楽しみにしているのが「アマデ」(ウォルフガングの幼少時代。台詞ひとつは発することなくウォルフガングと共に常に舞台に出ている)。今日のアマデもとても良かった!


(暑)