血の起源

caltec2005-05-03



「血の起源」@THEATRE1010 を観劇。
演劇嫌いを公言して憚らないこのcaltecが、何故か毎回足繁く通っているメジャーリーグ作品、とくに栗田芳宏の構成・演出であるからには行かねばなるまい。。と前々から思っていたのですが、ひょんなところから招待チケットを頂く機会があり、行って来ました。北千住の丸井上まで。


「血の起源」とは寺山修司の作品なのだそうですが、僕が初めて見た寺山作品かもしれない。実は寺山修司、名前は有名で知っているのだが、彼の作品だとか彼の世界観については全く知らない(というより「全く興味がない」と言った方が正しい)ので、はあ、こういうものか、というのが作品から受けたメッセージではありました。演劇については作者の意図だとか思想だとか演劇を通じてのメッセージについては全く眼中にないので、はあそうですか、としか言いようがないので。。申し訳ないけど。(それが僕の演劇を見るスタイルだから) 僕の興味は、役者さんの動き(身体表現)だとか、衣装・舞台美術・照明・音響だとか、完全にそういうものになってしまっているのはどうしてなんだろう?観客の目というより、スタッフの目線だよね、これって。。。(汗)


今回のこの「血の起源」は舞台構成が面白い。なんと「水能」なのだ。舞台上は能舞台を模した造りになっているのだが、舞台中央が一段低くなっており、そこに水が張ってあるのだ!(舞台美術:朝倉摂) 能をベースにした舞台というのは、近年の栗田演出では珍しくなく、その能的演出に僕はヤラれてしまっているのだが、まさか水能だとは思わなかった。メインキャストに安寿ミラ、舘形比呂一、西島千博という「踊れる3人」を据えたのは、そもそも「血の起源」が舞踏演劇だったから、だとは思うのだが(寺山作品には台詞がないの?)、台詞らしい台詞がほとんどなく、踊りと歌で構成された舞台というのはなかなか興味深かった。
ただ残念なことに僕には踊りに対する感性が全くないのか、ダンサーの肉体や踊りの動きに感心することはあっても、その動きが何を表しているのかなどを察知する能力が全くないので、いまいち振付家の人たちの意図したところを理解できていているかまでは自信がないのですが。。


公演後、安寿ミラ×西島千博の対談があり、これも面白く拝見しました。(5月4日(水・祝)14時公演終演後は「舘形比呂一×西島千博」、 5月5日(木・祝)14時公演終演後は「安寿ミラ×舘形比呂一」の対談ということだそう)「年齢性別不詳の3人」というのは、ある種ゴモットモな意見で。。。楽しそうな現場の雰囲気が伝わってきて、好企画だなあ、と思いながら北千住を後にしたのでした。


PS:今年は寺山修司生誕70年だそうですので、彼の作品、いろいろな劇団で上演されるようです。寺山ファンの人、演劇ファンの人にとっては嬉しいことなんでしょうね。