4大陸選手権

caltec2005-02-22



4大陸選手権@韓国が終了した。
この4大陸選手権は、ヨーロッパ選手権に対抗する形で、ヨーロッパ以外の地域を対象とした地域の国際大会としてスタートしたが、アメリカ・カナダなどのフィギュア大国が派遣する選手が2番手格(世界選手権代表に漏れた選手)の選手を派遣することが多かったため、(世界選手権の欧州プレ版としての)ヨーロッパ選手権と比べると、その認知度・大会の権威度はイマイチである。


まあ、そういう前提は置いておいて、今回の4大陸選手権で注目されていたのは、日本人の2人の女子選手の結果だろう。アメリカ・カナダの例に漏れず、一昨年・今年は日本も女子シングルにおいては、世界選手権代表補欠組をこの4大陸選手権に送っている。
昨年の世界選手権での日本女子の活躍(荒川:優勝、安藤:4位、村主:7位)もあり、今年の日本の代表枠は3。昨年末の全日本選手権の結果(そしてそれ以前の実績)を踏まえ、全日本チャンピオンの安藤、荒川が代表に決定していた。
12月27日のブログにも書いたが、残りの1枠をかけて全日本3位の村主と7位の恩田、そして全日本を怪我で欠場した太田(一昨年のジュニア世界チャンピオン、昨年の4大陸選手権チャンピオン)の3人が4大陸選手権に出場し、その結果を踏まえて世界選手権の3人目の代表を決定する、というものだった。(残念ながら太田は怪我のため4大陸選手権も欠場し、中野由加里が代わりに出場した)


ここからは個人的な見解になるのだが、今年の世界選手権は来年のトリノオリンピックの前哨戦も兼ねており、今年の世界選手権の結果がオリンピックのメダルに影響することもある。それを踏まえて世界選手権の代表最終選考をこの4大陸選手権に持ち越したのではないのか?もっと言うならば、全日本3位の村主への協会の不信というか、全日本を怪我で欠場した太田への期待というか。。


今回の4大陸選手権の結果ではっきりとしたことは、ジャンプをほぼノーミスで決めた恩田よりもトリプル3種類の村主の方が高得点を出せる、ということだ。フィギュアはジャンプ以外にもスピン、ステップなど他の技術要素もあり、ジャンプがすべてではない。
村主は大会による出来不出来の差が激しいので、調子がよい時は高得点を得られるが、崩れてしまうと高得点がでないことが今シーズン多かった。そうした計算の出来ない選手よりは、村主よりはジャンプの安定感がある太田を代表に、、と考えてもおかしくはない。
2年連続世界選手権銅メダルという村主の実績は捨てがたいが、世界ジュニアチャンピオン、昨年の4大陸選手権チャンピオンという太田の実績も捨てたものではない。。。

そう考えると、今回の最終代表1人の結果を4大陸選手権の結果を待って、という協会の方針も妙に納得がいくのだが。。

結果は村主の優勝、恩田がそれに続き、今の日本女子の強さを世界に知らしめる結果となった。この大会の日本女子は3連覇('03:村主、'04:太田、'05:村主)、村主もこの大会3度目の女王となった。おそらく中野の変わりに太田が出場していたとしたら、日本女子の表彰台独占も可能だったかもしれない。


見るほうは、スリリングで面白いが、選手やそのファン、関係者にとっては、厳しいシーズンがこれから数年続くことになるのだろうか?

代表選考はもっと明確なルールの元で決めたらどうか?
強化部長は「オリンピック代表は今シーズンと来シーズンの総合ポイントで決定する」と以前発表していたが、それだと今シーズン後半を怪我で欠場した太田にはオリンピック出場のチャンスがあまりない。
でも、それを特例で認めるのは、いかがなものか、、、とも思うし、来シーズン急成長する選手がいるかもしれない。
「全米選手権の上位から代表を派遣するアメリカを習って、全日本選手権上位者を派遣する」と前に発言していたのは誰だったのだろうか?