宝塚月組:エリザベート

caltec2005-02-19



さてさて、今日は雨の中、月組公演エリザベートを観に宝塚大劇場へ行く。関西に滞在するようになって早一年半。とうとうこの日がやってくるとは。。。でも、一人で行くのは怖くて東京から来た知人と一緒の観劇です。いかにも「連れられて来ました」的な構図にしないとね。(何でだかは自分でもわからないけど)


阪急電車の終点宝塚で降りるとそこは宝塚の世界。駅から10分ほど歩くと目指す大劇場はあります。早速入り口に入ると、そこには本科生(いや、予科生か?)が学園祭だか何かのパンフレットを販売していた。いやー、この中に未来のトップスターはいるのかなあ。などと思いながら、建物を先に進んでいく。


が、なかなか劇場の入り口に着かないのだ。レストランを通り、宝塚関連の売店を通り、更に宝塚の衣装を展示しているようなエリアを通り、やっとの思いで劇場入り口につく。宝塚駅からの一本道の街道沿いにも店が並んでいたし、なんだか本堂(大劇場)までの参道沿いに縁日が並んでいるよう。ここでファンの人はたくさんお金を落としていくんだろうか。。
大劇場は東京宝塚劇場とは比べ物にならないくらいユッタリと、そして贅沢な作りになっていた。やはり本拠地は違う(まあ、土地が豊富にあるってこともあるとは思うけど)。


今回の「エリザベート」は話題づくしの作品。この演目を宝塚で最後に上演する組(雪→星→宙→花→月)である点、トップスター彩輝直の退団公演であるという点、タイトルロールでもあるエリザベート役に男役の瀬奈じゅんが扮する点(瀬名は次期月組トップでもある。まあ、これでもか、これでもかと話題を作った公演である。


さて、肝心の公演のほうであるが、(宝塚的に)主役のトート役の彩輝は歌・演技は頑張っていたと思う(実はもっと歌えないと思っていた。ただ低音のビブラートが耳障りなのは変わらないけど、ずいぶん改善されていたと思う)ダンスはすっごかったけどね。でも、最後のフィナーレくらいだから、まあ、それはご愛嬌ということで。。。ビジュアル的にはOK。エリザベート役の瀬奈が背が高いので(男役だから当然か)、2人並ぶと少し違和感はあったものの、ほんと立っていれば、絵になると思う。ネットではいろいろ叩かれていたりもしらみたいだけど、頑張ったと思う。


エリザベート役の瀬奈は、台詞が女性の声なんですね。彼女自体、女性女性してる男役ではないので、初めのうちは少し違和感がありましたが、そのうちに慣れてきて、あまり苦にはならなかったです。歌は低音部分はやはりハスキーにはなってしまうけど、高音もきちんと出ていたし良かったと思います。
宝塚の娘役は、普通の舞台で活躍する女性以上に「女」を強調した芝居・歌・ダンスをすうるので個人的に苦手なのですが、タイトルロールのエリザを男役の瀬奈が演じることによって、逆に凛としたエリザベート像を作り出していて良かったと思います。


あとは、やはり注目を浴びる立ち位置にいる人だけに、目立つので、トートのアラをある意味隠せたのではないかと。。。悪い言い方をすれば、ツートップ体制で臨めたのではないかと思います。


ルキーニ役の霧矢大夢は、芝居・歌が上手く、安定感があった。ただ、彼女のルキーニは身のこなしがしなやか的過ぎて、ルキーニという役にあまり合っていないように感じました。ダンスについても同様。ルキーニはもっと無骨だったり、灰汁が強かったりした方がいいと個人的には思います。実力はある人なので、役作りの問題なんだとは思うんだけど。。。まあ、僕の感じ方の問題か。


ルドルフ役の大空祐飛は、一番クサイタイプの芝居をする人なんだろうか? トート、エリザベート、ルキーニの他主要3役とのバランスを考えると、一人だけ重い演技をしているのが、なんか勿体無いなあ。。と思った。昔の雪とかだったら合いそうなんだけどな。これも僕の勝手な感想ですが。。。


話題満載だった割には、最近観た花組公演の「エリザベート」と比べると、なんか印象に残るものが薄かったなーというのが、正直な感想です。まあ花組公演はトート役の春野寿美礼の歌唱力と不思議や妖しさにやられてしまった公演だったので、それは仕方ないか。。。