夢見るタカラヅカ展


「♪愛、それは強〜く〜、愛、それは儚く〜♪」。これは、有名なベルサイユのバラの歌の台詞。そう、ベルバラの歌といえば、宝塚ですね。。。ということで、今日は『夢見るタカラヅカ展』@東京オペラシティギャラリーに行ってきました。


今夏の「HELLO、KITTY」展、一昨年の「ドラえもん」展となかなか面白い企画展が続いていたので、この宝塚展、期待して出かけたのですが、個人的な感想としてはイマイチでした。前者はキティ・ドラえもんという素材を用いてクリエーターが自由な発想で作品を作るという感じでしたが、宝塚展はそうしたコンセプトではなく、あくまで宝塚の域をでないものでした。森村泰昌がコスプレしていたり、横尾忠則が宝塚のポスターを作っていても、あくまでいわゆる宝塚の範疇を出ない、というか、宝塚がイコン化してないような印象を受けました。


本展覧会は、宝塚歌劇団の紹介でもあり、かつ宝塚歌劇という商業演劇と関わりあった芸術家達の(コマーシャリズムに乗った)作品の展示でもあり、宝塚というモチーフを元に作成されたアートの展示でもあったり、とテーマが少し広すぎたのが僕にとってはイマイチと感じられた要因でしょうか。芸術家に宝塚というモチーフを与えて、後は好き勝手に作品を作成してもらった方が観ていて面白いと思うのですが、タカラヅカにも守るべきパブリックイメージはあるし、そういうものでもないんでしょうね。


そんな中、今日の「めっけもん」は同じく東京オペラシティギャラリーで開催していたプロジェクトNの展示。プロジェクトNとは東京オペラシティギャラリー独自の企画展示のようですが、今回は「高橋将貴」という若いアーティストの作品を展示していました。(http://www.operacity.jp/ag/exh54.html) 


「バンカー・ストライプ」「ボウタイ」など、ある種アイコン化されたタイトルと共に、そのタイトルを聞くだけで誰もが思い浮かべるような人物が小さなキャンバスに描かれています。彼が描こうとしているのはその言葉がもつ一般的なイメージ。なので、作品を見ても、タイトルを推測することが容易です。


本展覧会ではそうした彼の作品が一同に展示されていました。その見た目の軽さから、初めは「何だ、単純な作品じゃん」と感じていたのですが、その定型化されたイメージ(作品)を見つづけていくうちに、僕の中にまた別の思いが浮かんでくるのです。そのとき僕が感じたことは、上記HPで述べられていることに近いので、ここでは割愛しますが、本来、職業や社会的階級などがもつ「型」(パターン)をも、本来の「型」という枠組みから取り出し、消費してしまう、という現代社会はすごいもんだなあ、と改めて思ってしまったりもしたのです。現代社会とは消費社会なんでしょうなあ。


「型」にこだわることは、逆に「型」から開放することでもあるのかなあ、と今回のプロジェクトNの展示と、「夢見るタカラヅカ展」の展示を見て感じ入ってしまったのでした。


満足度:★☆☆☆☆