RENT


RENT、観てきました。(7/23:夜の公演)


NY(Broadway)、日本キャスト公演と観てきて、今回で3回目のRENTでしたが、まあ期待を裏切るものではありませんでした。


場所は文京区シビックセンター、つい先頃オープンしたばかりの公共施設にしては立派すぎる施設で(著名な建築家設計とか。。)そのホールの「こけら落とし」的な意味合いも含まれていたと思います。


S席12600円、A席9300円。
RENTで面白いのが、ブレークスルーシートという、センター最前列の12席を 抽選で開演1時間前に販売することでしょう。
#値段もS席の半額なのです。


僕はこのブレークスルーシート欲しさに22.23日と抽選会に臨んだのですが、あいにく抽選からは外れてしまいました。たったの12席をめぐって多くの人がエントリーするので、当たる方が珍しいのですけど。。。


折角、会場まで来たのだし、本場アメリカからの引越し公演なので、まあ観ていこう、ということで当日券を買い、高いお金を払ってS席で観てきました。
席は何と、関係者用に最後までキープしてあるセンター前から6列目。という超スーパーシートだったので、ばっちりでした。


公演の内容の方はと言えば、さすがアメリカのツアーカンパニー、引越し軍団とは言え、とても素晴らしい内容でした。
#メインカンパニーはBroadwayで公演中。
日本にきているのはいわば2軍にあたる引越し公演専門のカンパニー)


声量、黒人の人独特のリズム(ゴスペルやブルース調の曲では特に光ってた)、アメリカ人特有のノリの良さ(モーリンのコンサートの様子等)、日本キャストとは全然違いました。レベルはすごく高いです。


観客のノリもすごくて(外国人のお客様多し)、曲が終わったあとの拍手、泣く場面でのすすり泣き、最後の楽曲には途中からスタンディングオベーションが始まり、クライマックスにはロックコンサートさながら、みな体でリズムを取りながら、キャストを割れんばかりの拍手・歓声で迎えました。


CHICAGOの引越し公演の「ショボさ」と比べて、得るものは多かった気がします。


ただ、僕自身の受け手としての感想としては、初回・2回目ほどの感動は受けませんでした。


初めてNYでRENTを見たときの衝撃(1回目)や、日本人キャストでもRENTが上演できるという驚き(2回目)と比べると、今回新たに発見できたものがあまり無かったからなのですが。。。


まあ、そんな個人的なことは置いておいて。。。


「今を生きる」という作品から伝わるメッセージ、ラ・ボーエムの舞台を現代のNYに移し、AIDSという社会問題(?)を織り込んだテーマ設定。


そうした重いテーマながら、ロックとゴスペルとブルースといったジャンルの楽曲、重量感あるサウンドにパワフルに歌う出演者達の熱演を前にすると、その暗いテーマの裏にある「生きる」部分が逆に浮かび上がってくるような気がしました。


観る人によってこの舞台からそれぞれから感じ取るものは違うと思いますが、「生きることの素晴らしさ」を改めて考えさせられるそんな公演だったと思います。


ミュージカルが嫌いな人も多いと思いますが、これは今までのいわゆる古臭い典型的な「ミュージカル」ではありません。


流れる時間、空気がどちらかというと「舞台(芝居の)」と似ていて、その上をロッキッシュゴスペル・ブルースといった楽曲が流れていく、そんなミュージカルです。
(「ミュージカルを超えたミュージカル」とアメリカでは言われ、若者から圧倒的な支持を受けています)


アメリカでは、作品賞を始めトニー賞(Musical版アカデミー賞)の多くの部門を独占、おまけにピューリッツアー賞まで受賞してしまった、このRENTというMusical。日本公演は来週の日曜までとあと6日間しかありませんが、機会が会ったら観てみるのもいいかもしれません。



音 楽 : ★★★★★
脚 本 : ★★★★☆
演 出 : ★★★★☆
役 者 : ★★★★★
舞台/衣装:★★★☆☆
満足度 : ★★★★★