グランプリファイナル

フィギュア:浅田は演技安定…GPファイナル9日開幕


ケベック(カナダ)芳賀竜也】


フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルは9日(日本時間10日未明)、当地で開幕し、GPシリーズの各種目上位6人・組が出場する。日本勢は、男子が高橋大輔(関大大学院)と羽生結弦(はにゅう・ゆづる)=宮城・東北高、女子は浅田真央中京大)と鈴木明子(邦和スポーツランド)、ペアは高橋成美(木下ク)マービン・トラン(カナダ)組が出場。7日は公式練習が始まり、日本勢を中心とした選手たちが滑りを確認した。また、8日開幕のジュニアGPファイナルには、日野龍樹(愛知・中京大中京高)と田中刑事岡山理大付高)、庄司理紗(西武東伏見ク)が参戦する。


◇男子

昨季の世界選手権とGPファイナルを制したパトリック・チャン(カナダ)が優勝候補の筆頭。4回転ジャンプをショートプログラム(SP)で1回、フリーで2回の計3回跳んでおり、他の追随を許さない。


チャンに続くのは高橋。今季はまだSPで4回転ジャンプに挑んでいないが、今大会の結果は他の大会の代表選考を兼ねないため、「やるとしたらここ(の試合)かな」と挑戦の意向を示し、7日の公式練習では手を突きながらも4回転トーループで1回着氷した。7日に17歳になった羽生は4回転ジャンプの精度が安定。フリーの後半まで体力がもつかが勝負の分かれ目だ。


◇女子

今季はバンクーバー五輪金メダルの金妍児キム・ヨナ)=韓国=と昨季の世界女王、安藤美姫トヨタ自動車)が休養。今大会も混戦が予想される。


3季ぶりにファイナル出場を果たした浅田は、演技の安定性が昨季より格段によくなっている。ロシア杯は武器のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を回避して優勝した。シニア転向初シーズンで優勝をうかがうのは14歳のエリザベータ・トゥクタミシェワ(ロシア)。身長156センチと小柄だが、GPシリーズ2連勝と波に乗り、ミスが少ない。鈴木は、NHK杯で初成功させた2連続3回転ジャンプが安定し、初のGP女王を狙う。


毎日新聞 2011年12月8日 19時36分

フィギュアGPファイナル:公式練習、日本勢ジャンプ好調


9日(日本時間10日未明)に開幕するフィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルの公式練習が7日、当地で始まった。日本勢は全員が参加して、氷の感触を確かめた。


練習は女子から始まり、日本勢だけが臨んだ。ロシア杯を制して波に乗る浅田真央中京大)は、武器とするトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を2回着氷させ、鈴木明子(邦和スポーツランド)も2連続3回転ジャンプが安定していた。男子の選手は4回転ジャンプに挑み、高橋大輔(関大大学院)、羽生結弦(はにゅう・ゆづる)=宮城・東北高=が、ともに成功させた。【ケベック(カナダ)芳賀竜也】


◇平常心で挑む羽生

昨季のシニア転向後、初のGPファイナル進出を果たした羽生。この日の公式練習は、6人中3人しか参加しなかったこともあり、「あまりファイナルという実感はない。(GPシリーズなどの)それぞれの試合と同じ感覚で集中している」と平常心を強調した。


だが、先輩の高橋が高難度の4回転フリップに挑んでは失敗を繰り返す中で、羽生は4回転トーループを3回も着氷させた。「(踏み切りに至るまでの)滑りが足りなかった」と反省点もあったが、「まだ1日目だし、かなり動けた方」と余裕を感じさせた。


もっとも、シニア2年目はここまで「余裕」などなかった。東日本大震災では仙台市内の自宅が被災し、避難所暮らしも経験。練習拠点のスケートリンクも使えなくなり、全国各地のアイスショーへ積極的に参加することで練習時間を確保した。「(演技で)被災地の人を勇気づけたいが、地震を言い訳にはしたくない」という強い意思は、GPファイナル初出場という夢舞台に結実した。


この日、当地で17歳の誕生日を迎えた。「来年以降も(GPファイナルに出場し)日本以外で誕生日を迎えたい」。試合前から早くも、さらなる飛躍を誓った。【芳賀竜也】


毎日新聞 2011年12月8日 10時32分(最終更新 12月8日 10時46分)



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