NHK杯

フィギュア:高橋大輔3年ぶりV NHK杯


フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦・NHK杯は最終日の24日、愛知・日本ガイシアリーナで男子のフリーを行った。前日のショートプログラム(SP)首位の高橋大輔(関大大学院)が、フリーで4回転トーループを成功させるなどしてトップを守り、計234.79点で3年ぶり3回目の優勝を果たした。GP通算5勝目。GPファイナル(北京)進出に向けて大きく前進した。今大会がシニアGPデビュー戦だったSP5位の15歳、羽生結弦(ゆづる)=宮城・東北高=は4位と健闘し、SP9位の無良(むら)崇人(中京大)は6位。羽生、無良ともに4回転トーループを成功させ、SPから順位を押し上げた。次のGPは次週、カナダで行われる。


▽男子最終成績 
(1)高橋大輔(関大大学院)234.79点(SP78.04点、フリー156.75点)
(2)ジェレミー・アボット(米国)218.19(74.62、143.57)
(3)フローラン・アモディオ(フランス)213.77(70.01、143.76)
(4)羽生結弦(宮城・東北高)207.72(69.31、138.41)
(6)無良崇人中京大)191.85(63.20、128.65)


○…シニアGPデビュー戦4位の羽生は、笑顔だが「表彰台に上がりたかった」と少々悔しそう。前日の女子では、同じく今年3月の世界ジュニア優勝の村上佳菜子が3位になり「刺激を受けた」。最初の4回転トーループを決め「上出来だった」という前半に対し、後半は3回転ループが1回転になるなど「やっぱり体力が足りなかった」と、ジュニアとの差を実感した。「(演じた曲は)最後がアップテンポになって楽しくなるはずだったのに『苦』ばかり」とは話すが、体力アップという課題が、練習の励みになりそうだ。


毎日新聞 2010年10月24日 18時37分(最終更新 10月24日 19時06分)

フィギュア:後輩に見せた“王者の意地” NHK杯で高橋


自らの滑走前に無良崇人中京大)と羽生結弦(宮城・東北高)が相次いで4回転を成功させた。「ボンボン跳んで、負けられないと思った」と、世界王者・高橋大輔(関大大学院)が意地のジャンプを早々に披露し、波に乗った。


フリーの曲は、アップテンポのSPと違い、落ち着いたアルゼンチンタンゴ。今月初めのジャパンオープンで4回転に成功し「自分でも驚いてしまって」、高橋は次のトリプルアクセル(3回転半)を失敗した。だが「いろいろなパターンを想定している」という練習の成果で、この日は難なくクリア。中盤の3連続ジャンプを2連続に変更した以外は予定通りの演技だ。


「4回転を決められたので良かった。羽生君の練習には圧倒されたが、自分もシニアの年数は長いので」。ご当地・日本で、若い後輩に貫禄を見せられたことがうれしかった。


ただ後半に課題がある。「(疲れが)足にきてしまい」、3回転サルコウは1回転に、続く3回転ルッツ−2回転トーループは転倒した。08年秋に手術した右ひざの調子はまずまずで、バネが戻りジャンプ力と可動域が増した。ただその動きをまだコントロールできていない状況のようで、疲れがたまると自分のもくろみと動きの間にズレが生じ、ミスになって表れる。


ともあれ、フリーでも最高得点の完全優勝。試合後「課題もあり、うれしさもあり。怠けずに頑張ります」と高橋。バンクーバー五輪で得た銅メダルより輝く色を目指して、厳しい練習と向き合う。


【芳賀竜也】


毎日新聞 2010年10月24日 18時52分(最終更新 10月24日 19時05分)



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