ローマ  

caltec2010-09-20



今日はフォロ・ロマーノ、パラティーノの丘、コロッセオを回る予定の一日。ガイドブックには2日に分けて見学することもお勧め、、とあったので、一日ここで過ごすことになるのか?と予想していたが、3箇所合わせて4時間半。途中休憩は殆ど取らず、この広大な遺跡群の中を歩き回る。それで4時間半というのは、一般的に言って、結構長くいた方になるのだろうか?


【 本日の行程 】

ホテル →コロッセオコンスタンティヌス凱旋門→ パラティーノの丘 →フォロ・ロマーノヴェネチア広場 →ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂 →→ ジェズ教会 →→ サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会 →サンティニャツィオ教会 →→ ホテル


コロッセオ
ローマを訪れる3つの目的の2つ目、古代ローマ遺跡めぐりは、コロッセオからスタートした。ガイドブックでは結構並ぶようなことが書いてあったが、平日のためか、はたまた夏休みシーズンが終わったためか、全然待つことなくあっという間にコロッセオの中に入ることが出来た。一回を奥まで進み、二階に上がると、簡単な展示スペースになっており、コロッセオの歴史や、衣装、戦士の甲冑などが展示されていた。後半はまだ展示スペースの意匠だけがあったので、まだまだこれから展示作品を増やしていく予定なのだろうか?
展示スペースの最後にブックストアがあり、ここを抜けると、いよいよコロッセオの中に入ることが出来る。先日ローマ在住の日本の方から「コロッセオは外から見るだけの方が感動しますよ」と言われていたが、目の前に広がるのはかつての競技場の後。数年前にチュニジアに旅行した際に見たコロッセオの方が保存状態も良く(完全な形で残っている)、また実際に行ける範囲が広く、競技場の上まで行けたり、かつての観客席に行けたり(保存状態が良く残っている!)して、コロッセオを見るならこちらの方がお勧めかもしれない。ローマの遺跡は、本国より周辺の方が保存状態が良い、とは、歴史の皮肉のようなもので、それだけ中心地(ローマ)は戦いによってこうした建物が取り壊されたり、他の用途で一部が取り去られたりした、ということなのだと思う。


コンスタンティヌス凱旋門
コロッセオを出て、フォロ・ロマーノに向かう途中にコンスタンティヌス凱旋門がある。きれいな形で残っている凱旋門だが、ガイドブックによれば、凱旋門に施されている彫像やレリーフは、実は他の建造物からの(現代の表現で言えば)「リサイクル品」であるものが多いということだ。先ほど観たコロッセオ凱旋門とは逆に、建造物の健在を提供する格好の材料になったようで、大理石の装飾や、建物の一部そのものも、他の歴史的件俗物の建材として利用されたということだ。


ラティーノの丘
ガイドブックなどで奨励されているルートはフォロ・ロマーノ→パラティーノの丘→コロッセオの順で、このルートに沿って、出入り口が配置されていると言ってもいい。今回コロッセオからスタートしてしまったため、一番近い入り口が「フォロ・ロマーノ→パラティーノの丘と辿るコースの最終地点(つまり出口も兼ねている)」。これから散々歩くことを考えると、このコースもありか、、と思い、まずはパラティーノの丘からスタートすることとした。
ラティーノの丘は、フォロ・ロマーノを見下ろす南側に位置し、ローマの政治や経済などに力を持つ、貴族や有力な家柄の人々の住む、今で言う高級住宅街であった、ということだ。スタディオ(馬場)→ ドムス・アウグスターナ → ドムス・フラヴィアの八角形の噴水 → パラティーノ博物館 → アウグストゥスの家 → アレア・サクラ → ファルネジアーニ庭園、と順路とは逆のコースで最後、フォロ・ロマーノの全貌を見下ろすことの出来るテラスに出る。
始めはこの順路はどうかな?と思っていたのだが、史跡の重要度が徐々に増してくる中で、最後にこのテラスからフォロ・ロマーノの全貌が出現するという、ドラマチックな演出がなされたようで、このルートで逆に良かったかもしれない(フォロ・ロマーノを先に見ると、パラティーノの丘に少しガッカリするのでは?と思う)。
フォロ・ロマーノのハイライトは、「アウグストゥスの家」で、アウグストゥスが建てさせた邸宅跡が当時の壁画のまま残されていてかなり貴重なものだと思う。(フォロ・ロマーノ中で、ここだけ入場数制限があり、行列ができていた)


フォロ・ロマーノ
ラティーノの丘にあるテラスから階段を下り、ローマで一番着たかったフォロ・ロマーノに降り立つ。こちらはルート順の通りに回ろうと思い、まずはエミリアのバシリカへ向かい、ここからスタートすることにした。
順路は、エミリアのバシリカ → クーリア → セヴェルスの凱旋門 → サトゥルヌスの神殿→ 中央広場 → ユリウスのバシリカカエサルの神殿 → ボルックスの神殿 → ヴェスタの神殿 → アントニウスとファウスティーナの神殿 → ロムルスの神殿 → マクセンティウスのバシリカティトゥス凱旋門 と、一通りまわった。フォロ・ロマーノのスタートが12時、そして全部見終わったのが2時半。今日は快晴で照りつける太陽の下歩き通しで疲労困憊、緑が多かったパラティーノの丘と比べ、石造が多いので照り返しも多く、予想以上に疲れてしまった。
一昨日に購入したガイドブック(現在の古代ローマ遺跡の上に、当時の様子を再現したページを挟むことで、現在と過去を対比しながら見ることができる)を利用してフォロ・ロマーノを眺めると、当時の様子が偲ばれ、なかなかに感慨深いものがあった。当時の様子を想像できないと、ただの石の羅列、、、にしか見えないと思うので、何らかの形で当時の様子を事前に頭の中に入れてから、このフォロ・ロマーノを散策すると、楽しさが倍増すると思う。


ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂
フォロ・ロマーノを後にし、ヴェネチア広場近くの出口から外に出ると、、、目の前には白亜の建物、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂が聳え立っている。とあえず、ゆっくりとしたいなと思いつつも、貧乏性のせいか、目の前に気になるものがあると、ついつい行きたくなってしまい、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂の階段をテクテクと上に登っていく。この選択が実は大正解で、テラスからは心地よい風を受けながら、周りの景色を堪能できる、絶景のビューポイントだった。またテラスにはオープンスペースのカフェテリアがあり、眺めの良い席を陣取り、食事を取ることが出来る。冷たいリゾット(オリーブ、シュリンプ、カニ、ツナ、トマト、レタス、パプリカとライスをオリーブオイルで和えた、サラダ感覚の料理)と、食後にダブルエスプレッソを頼む。
眺めのいい景色と、久々のご飯でおいしさ倍増、かなりゆったりとした至福のときを過ごした。
ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念館の中は博物館になっていて、イタリア統一に関しての展示室、イタリア統一後の歴史が展示されている博物館、そして(おそらく)戦士(兵隊)に関する博物館が中にあったと思う。(素通りだったので、詳しく中身は見てないので、詳細は書けないのですが)


ジェズ教会
ヴェネチア広場から歩くこと数分で、ジェズ教会に行くことが出来る。日本でも馴染みの深いフランシスコ・ザビエルが属していたイエズス会。その総本山とも言うべき教会がこのジェズ教会だ。中に入ると、その豪華さに驚く。今までみたローマの教会の中では一番の豪華さ。金色の装飾、天井いっぱいに描かれた天井画、そしてお馴染みのイエズス会のマーク。そして、ハープの生演奏に合わせた合唱が教会の中に響き渡り、大げさな表現で言うと、「この世のものではい何処か」へ迷い込んでしまったような、そんな空間が目の前に広がっているように感じた(それほどまでに浮世離れした豪華さ、ということが言いたかった)。
さて、まじめな話をすると、この教会の中にはイエズス会創始者、イグナティウス・ディ・ロヨラと、ザビエルが対峙する様に祭られており、中でもロヨラの礼拝堂はひときわ豪華だ。「(バチカンを除いた)ローマで教会を1つだけ訪れるとしたら?」と聞かれたら、個人的にはこのジェズ教会か、サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会と答えると思う。とにかくいつまでも教会の中の装飾を観続けてしまうくらい、見所があると思う。ほんの数十分の予定だったが、かなり長い間椅子に座り、あちこちを眺めていた気がする。


サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会
ジェズ教会から2ブロック上に上がれば、サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会に至る。せっかく近くまで来たのだから、この教会をまた見なければ、、といそいそとまたサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会に赴く。
さっきまでいたジェズ教会の明るく、突き抜けるような、それこそ天上の世界のような豪華さ、華やかさとは持ち味は違うが、このサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会もまた、そこに装飾や、掲げられた宗教画・彫像は紛れもなく豪華なものが多く、静謐で厳かな中に、じわりじわりと押し寄せてくる満足感を十分に得られる教会である。


サンティニャツィオ教会
さて、ジェズ教会を見たからには、ジェズ教会をお手本に作られたというサンティニャツィオ教会を訪れなければ、、と思い、サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会から2ブロックほど北東に上がり、サンティニャツィオ教会を訪れる。
中に入ると、なるほど、ジェズ教会を参考にしたと思われるつくりになっている。この教会の一番の特徴は、クーポラが実は「騙し絵」となっていること。資金難でクーポラが建てられなくなったため、苦肉の策として騙し絵でクーポラを描いた、ということだ。クーポラ以外にも天井画がふんだんに描かれており、調度品・内装も充実しているので、逆にこのクーポラだけが目立つ感じだった。クーポラの騙し絵がよりリアルに感じられるビューポイントにラインが引かれているのが、何気ない気遣いだ。


本日はここで観光終了の時刻となったが、前半のローマ遺跡群、テラスでのランチ、そして後半の教会と、本日訪れた箇所は、いずれもお勧めのポイントである。



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