グランプリシリーズ第6戦:カナダ大会

caltec2009-11-21


フィギュアスケートスケートカナダ 高橋、SP2位−−男子


【キッチナー(カナダ)来住哲司】


20日、当地のキッチナー記念総合会館で開幕した。


<男子シングル>


男子のショートプログラム(SP)はNHK杯4位の高橋大輔(関大大学院)が76・30点で2位につけた。昨季GPファイナル王者でNHK杯5位のジェレミー・アボット(米国)が79・00点で首位。


◇「やっと集中」


男子SPで高橋は2位スタートとなり、GPファイナルの自力進出圏内(2位以内)に。冒頭の3−3回転連続ジャンプで二つ目が回転不足となったほか、ステップが二つともレベル2認定にとどまり、得点はNHK杯の78・18点を下回った。「転倒など大きなミスがなく、一応うまくまとめられたが、連続ジャンプのダウングレード(回転不足)とステップのレベル2は残念」と高橋。それでもカナダ入り後は練習で不調だっただけに「やっと集中できた」とほっとした表情ものぞかせた。首位とは2・70点差しかなく、織田信成(関大)と並ぶGP通算5勝目の期待も高まってきた。


<女子シングル>


女子のSPでは中国杯優勝の鈴木明子(邦和スポーツランド)は53・10点で8位と出遅れた。昨季世界選手権銀で中国杯3位のジョアニー・ロシェット(カナダ)が70・00点でトップに立ち、長洲未来(米国)が56・34点で3位。


◇鈴木8位、ファイナルへの重圧から「緊張」


GPファイナル行きが微妙になってきた。中国杯優勝の鈴木が首位・ロシェットに17点近い大差をつけられ、SPは8位に沈んだ。


冒頭の3−2回転連続ジャンプは最初のルッツがやや詰まり、続く3回転フリップはステップアウト。「練習からジャンプの感覚がずれていた。いろいろ考えてしまった。フリップは回転が強くかかりすぎた」と振り返る。ルッツがロングエッジ(誤った踏み切り)判定のうえ、最高難度のレベル4を狙ったスパイラルがレベル3にとどまるなど、得点を取りこぼした。


「試合はいつも緊張するが、今日はいつもより緊張した」と鈴木。先月下旬、GP出場2戦目だった中国杯で優勝し、GPファイナル初出場に大きく前進した。だが、大舞台への進出がかかる今大会は従来とは重圧のかかり方が違ったようだ。


「緊張感の中でどれだけできるか試される時だと思った。今日は自分の中の弱い面が出た」と悔やんだ。


GPファイナル自力進出には4位以内が求められる。3位・長洲まではわずか3・24点差だ。鈴木は「SPを滑ったら吹っ切れた。フリーは楽に行きたい」と誓う。中国杯ではフリーをノーミスでこなし、SP4位から逆転。今大会は優勝は絶望的だが、得意のフリーで浮上を期す。【来住哲司】


◇ロシェット、自己新70.00点


女子SP首位のロシェットは自己ベスト(67.90点)を更新する70.00点を挙げ、女子で史上5人目の70点台に到達。ほぼノーミスで手堅くまとめたうえ、表現力などを示すプログラム構成点は5項目中3項目で8点台を並べた。中国杯はミス続出で3位に終わったが、「気持ちを切り替えて練習に励み、今日は氷に立った時に自信を持って落ち着いた気持ちになれた」。2連覇に向けて大きく前進し「観衆の声援は力になった。五輪イヤーで母国でいい結果を残せてよかった」と喜んだ。


◇長洲、辛口採点にも前向き


日米両国籍の長洲はSP3位。ほぼノーミスでまとめたかに見えたが、エッジの「踏み切り違反の疑い」とされた3回転フリップで2.20点減点されたほか、プログラム構成点も5項目中2項目で5点台があるなど抑えられた。もっとも、本人は低得点に「悔しい」と言いつつも「中国杯よりも楽しんで滑れた。今のうちに厳しく見てもらいたい」と、前向きに受け止めていた。


<ペア>


ペアのSPは世界選手権2連覇中でフランス杯3位のアリョーナ・サブチェンコ、ロビン・ゾルコビー組(ドイツ)が74・16点で、アイスダンスの規定はフランス杯優勝のテッサ・バーチュー、スコット・モイヤー組(カナダ)が40・69点でそれぞれ首位に立った。今大会で各種目6人・組のGPファイナル(12月、東京)進出者が出そろう。


毎日新聞 2009年11月21日 東京夕刊)



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