RENT

caltec2009-08-23



赤坂ACTシアターにて、RENT来日公演を観る。


主役のロジャー役とマーク役がオリジナルキャスト(かつ映画でも同役を演じた)アダム・パスカル(ロジャー役)とアンソニー・ラップ(マーク役)という時点で、かなり「事件」的な来日キャストなわけで、こりゃあ、行かないわけにはいくまい、と前々からチケットを購入しての観劇。


映画同様、アダムもアンソニーも歌声は健在で、少しも色褪せることなく、舞台上で生きていた。


何より良かった点は「芝居を演じている」点。今まで観たほかのRENT公演は、ロックミュージカルということで、どちらかというと「歌」主体であり、悪く言うと「歌」を歌い続けていくことによってストーリーが展開していったのに対し、今回の公演では、登場人物一人ひとりが舞台上で生き、感情を吐露し、そして歌が歌われている、、という、ミュージカルとして当たり前の歌+芝居がバランス良く保たれていた。


ワークショップ時点から作者ジョナサンと共に作品を作り上げてきた2人だけに、各キャラクターの感情表現に揺るぎがない。そして、彼らを中心とした他の登場人物(コリンズ、ミミ、モーリーン、エンジェル、ジョアンヌ)との芝居の間合い、距離感も、観ている側に説得力を持って訴えかけてくるだけの何かがある印象を受けた。


とにかく(無理して)「役を演じている」のではなく、「役そのものになって自然とそこにいる」という印象を強く受けた。


歌の上手さに関しては全員折り紙つき。下手な人が全くいない舞台というのも、実はすごく久しぶり(これは、これでいいのか?と逆に思うが)。今回は名曲Seasons of Loveのソリストもオリジナルの人で、とにかくすごいの一言。今回の来日キャスト以上の公演は今後見られないかもしれないなあ、、、というのが正直な感想だ。やはりオリジナルキャストはすごい。(正直言うと前々回の来日公演と昨年の日本キャストがイマイチだっただけ?)


一点だけ、良すぎたために逆に気になったのは、楽曲のつなぎの悪さ。これは来日の音楽スタッフがあまり、、というせいかもしれないが、楽曲と楽曲のつなぎの間合いだとか、がかなり気になった。折角の良曲がブツ切で終わり、次のナンバーに、、ということが一度や二度ではなく、少しガッカリした。「Glory」のオープニングのギターソロも、、、かなりガッカリ。音響と合わせて改善点だよなあ、、と感じた。


会場も大盛り上がりで、レントヘッズがたくさん集結していた模様。客層もいつものようなミュージカルファンの女性ばかりではなく、開演当初からの生粋のレントヘッズや、ロック好き、映画RENTを観てファンになった人、など様々。そして、お待ちかねのナンバーには惜しみない拍手と、口笛と、、、通常のミュージカルではあり得ないノリの良さ(これはRENTに共通のことですが)、久々に客席と一体になった舞台を楽しみんだ。



音 楽 : ★★★★★
脚 本 : ★★★★☆
演 出 : ★★★☆☆
役 者 : ★★★★★
舞台/衣装: ★★☆☆☆
満足度 : ★★★★★



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