奇想の王国 だまし絵展

caltec2009-07-18



渋谷Bunkamura・ザ・ミュージアムにて「奇想の王国 だまし絵展」を観る。


まず驚いたのが、会場の混雑振り。3連休初日ということもあってなのか、B1のカフェには出店が出、1Fのシアターコクーンではコクーン歌舞伎の観客でごった返し、カフェではジャズの夕べの準備をし、、、と、Bunkamuraは人で溢れかえっていた。


Bunkamura・ザ・ミュージアムのHPによる本展覧会の概要は以下の通り。

だまし絵」は、ヨーロッパにおいて古い伝統をもつ美術の系譜のひとつです。古来より芸術家は迫真的な描写力をもって、平面である絵画をいかに本物と見違うほどに描ききるかに取り組んできました。それは、そこにはないイリュージョンを描き出すことへの挑戦でもありましたが、奇抜さだけでなく、あるときは芸術家の深い思想を含み、また時には視覚の科学的研究成果が生かされるなど、実に多様な発展を遂げました。本展覧会では、16、17世紀の古典的作品からダリ、マグリットら近現代の作家までの作品とともに、あわせて機知に富んだ日本の作例も紹介し、見る人の心を魅了してやまない「だまし絵」の世界を堪能していただきます。


だまし絵展の構成は下記のとおりになっている。


  第1章:イメージ詐術(トリック)の古典
  第2章:トロンプルイユの伝統
  第3章:アメリカン:トロンプルイユ
  第4章:日本のだまし絵
  第5章:20世紀の巨匠たち−マグリットエッシャー
  第6章:多様なイリュージョニズム−現代美術におけるイメージの策謀−


歴史的な流れの中で、画家たちがいかに見る人をだますために、様々な技法凝らしながら作品を描いたんだな、という理解をすることができる。だまし絵といわれる絵の歴史的な変遷、そしてその中で用いられている様々技法(テクニック)が理解できる。


  トロンプルイユ(目だまし)
  アナモルフォーズ(歪曲像)
  ダブルイメージ
  シュールレアリズム
  目の錯覚を利用した現代画


個人的にはシュール・レアリズムの作品(全く観たことがないマグリットの作品もあった)と現代のセクションが面白かった。


一番面白かったのは、絵(作品)の前を通ると、それに合わせてベネチアの建物が異動して見えるパトリック・ヒューズの「水の都」という作品。何で鑑賞者が移動すると、作品の中の絵が動いて見えるのか?その謎は、作品によーく近づいてみると判るのだが、ネタばれになるので、ここでの記述は控えておく。


展示グッズ販売コーナーに上記「水の都」と同じ構造で出来た作品が売っていたが、25万円近くしていた。原理がわかれば自分でも作れるよなあ、、とは思いつつ、それを作ったりはしないんだろうけど。


美術が好きな人はもちろんのこと、美術にあまり興味がない人や、展覧会って退屈だ、と思っている人も十二分に楽しめる構成になっており、多くの人に訪れて、美術の楽しさを満喫してもらいたい、お勧めの展覧会の一つである。


企画力  :★★★★☆
展示方法 :★★★☆☆
作品充実度:★★★★☆
満足度  :★★★★★



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