プレス・カメラマン・ストーリー

caltec2009-07-04



東京都写真美術館にて、「プレス・カメラマン・ストーリー」展を見る。本展覧会の概要は下記の通り。

ジャーナリストでもあり、アーティストでもあった。花形プレス・カメラマンたちの、自由な表現に秘められたストーリー!

さまざまなプレス写真が氾濫し報道されていく現代、ふと1枚のプレス写真に大きく心を打たれることがあります。何気ない日常の風景、誰も足を踏み入れていない地でのスクープ、時代を象徴する決定的瞬間など、情報を「伝えること」「記録すること」を超えて、普遍的な美を携えた写真は私たちの心をとらえて離しません。


この展覧会では、昭和の戦前・戦中・戦後の一時期に、作家性を強く意識した5人のプレス・カメラマンを中心に焦点をあてます。朝日新聞社を支え、花形プレス・カメラマンとして活躍した影山光洋・大束元・吉岡専造・船山克・秋元啓一をはじめとする写真家たち。彼らは自社の仕事のみならず、他社の雑誌にも作家性を強く打ち出した作品を発表し、フリーの写真家たちと同じように自由な創作活動を行いました。<新聞社に所属したスタッフ・カメラマン>という枠を越えて活躍できたという状況は非常に特殊で、彼らが朝日新聞と関わった時期がもっとも顕著であったといえるでしょう。


本展は、プレス写真の使命とは何なのかを考察しながら、彼らがどのようなシステムを背景に仕事をしたのか、自由な環境が豊かな表現を生み出すことができたのか、という問いかけをベースに検証します。プレス・カメラマンの仕事を「フォトジャーナリズム」と「作家性」の観点から紹介し、平成20年度に新たにコレクションに加わった影山・大束の当館初公開作品も含め、収蔵作品を中心に幅広く展覧します。


つまり、プレスカメラマンの作品を通じて、当時の社会の世相や風俗を、そしてアートとして構図や視点の面白さを堪能しようというのが本展覧会の趣旨だろうか。


影山光洋、大束元、吉岡専造、船山克、秋元啓一の5名の作品が展示されていたが、個人的には、アートと呼んでもよいような大束の写真の構図と、吉岡の緊迫感・臨場感溢れる写真が印象に残った。


一番印象に残ったのは、最後に展示されていた、世界大戦やベトナム戦争の大量の報道写真。上記5名の写真と比べると、構図斬新さやインパクトに欠けたものが多く、ただの記録でしかないような印象を受けるが、記録であるからこそ生まれる戦争の生々しさのようなものはあり、いろいろと考えさせられることが多い内容だった。


企画力  :★★★☆☆
展示方法 :★★★☆☆
作品充実度:★★★☆☆
満足度  :★★★☆☆



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