トップランナー

caltec2009-03-02



今日のNHKトップランナーのゲストは黒木メイサ。caltecとしては『1ポンドの福音』のシスター役や、『拝啓、父上様』などの倉本聰のドラマでの神秘的な美少女役という印象が強いのだが、今日の放送を見て、彼女に対しての見方は、今までとは少し変わりそうだ。


放送を通じてまず感じたのは、意志が強そうだということと、負けず嫌いなんだな、ということ。そして凛とした筋が一本通っていながら、その筋は強固で曲がらないものではなく、「しなやか」で色々な困難に対応できるものなのだな、ということ。彼女の目力や、落ち着いた物腰、そして自分の言葉で喋ろうとする姿勢に、そうしたものが現れている印象を受けた。


しかし、つかこうへい、そして倉本聰と日本を代表する演出家・脚本家の大家を魅了する彼女の魅力とは一体何なのか、それをつかは「エレベーターのように成長していく」ことだといい、倉本は「神秘的な雰囲気」だという。近年は「隣にいる」雰囲気を持っているタレントに人気があるが、彼女のように「本当の黒木メイサを掴めそうで掴めない」でも「何者にも例えられない」独特の雰囲気を持った女優は貴重な存在なのだろう。


倉本は言う。「彼女は今までは両親からもらったもの(ルックス等の身体的なもの)で勝負ができた。が、これからは彼女が自分で作り出したもので勝負することになる」と。現在20歳の彼女が、30歳、40歳、そして50歳と歳を重ねていくにつれ肉体的な美しさは失われていくだろう。だが「良い形で」歳を重ねていけば、それは表情だったり、物腰だったり、表現力だったりで、美しい人としてあり続けることができる。


表現者として「良い形で歳を重ねていく」ことは一番難しいことなのだと思う。それは演技(俳優)の世界に限らず、絵画や音楽などの芸術の世界では共通の理(ことわり)だ。彼女が今後も「女優として」多くの演出家や脚本家、監督からオファーを受け続けていくことができるかは、実は彼女のこれからの生き方にかかっている。「大きな宿題をもらった」と彼女は番組の中で語ったが、どういう答えを彼女は出し続けていくのか。彼女の今後に期待したい。



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