世界選手権

世界フィギュア:やや物足りない金1個 五輪に向け課題も


【イエーテボリ(スウェーデン)来住哲司】


22日閉幕したフィギュアスケートの世界選手権で、日本勢のメダル数は女子の浅田真央(愛知・中京大中京高)の金1個だった。史上最多の3個(金1、銀2)を獲得した前回に比べ、やや物足りなかった。


浅田真はフリーの冒頭でトリプルアクセル(3回転半)を跳ぶ前に転倒しながら、立て直した精神力は見事。表現力の進歩も勝因だ。一方で今季はジャンプの失敗が目立ち、ルッツは「踏み切り違反」の判定。来季への課題も残った。


中野友加里早大)は自己最高の4位。フリーのプログラム構成点は浅田真に次ぐ2位で、表現力も向上した。さらに上を目指すには、トリプルアクセルの確実さや3−3回転連続ジャンプの習得が欠かせない。


前回女王の安藤美姫トヨタ自動車)は左足故障でフリーを途中棄権。今季は表現力が格段に増したが、右肩痛などのため精彩を欠いた。毎年けがをしており、体調管理を見直す必要がある。


前回からメダル獲得には3−3回転が必須になった。2位のカロリナ・コストナー(イタリア)はジャンプでミスが目立ち、2年連続3位の金妍児キム・ヨナ、韓国)は股(こ)関節痛で動きが悪かった。米国ではジュニア世代が台頭しており、来季は勢力地図が変わる可能性もある。


男子の高橋大輔(関大)は優勝候補筆頭だったが、試合直前に調子を落として4位。明らかに調整ミスで、ピークの作り方を誤った。フリーではジャンプ回数の規定違反のミスを犯し、ルールの勉強不足も反省点だ。


前回王者で今回2位のブライアン・ジュベール(フランス)らメダリストが4回転ジャンプを跳んだが、今回は有力選手の失敗が目立ち、挑まなかったジェフリー・バトル(カナダ)がミスのない演技で優勝した。だが、伊東秀仁・日本スケート連盟フィギュア強化部長は「今はジュニアでも4回転を練習しており、2年後のバンクーバー五輪では4回転を跳べないとメダルは無理」と指摘する。


毎日新聞 2008年3月24日 17時26分(最終更新 3月24日 21時06分)


世界ランキング1位だと、世界選手権で優勝したのと同額の賞金をもらえるんですね。知りませんでした。。。ところで、フィギュア選手はカテゴリー的には、プロではなくアマチュア(アスリート)ですよね。賞金は個人でもらえるのか、日本スケート連盟に没収されてしまうのか、実情はどうなんでしょうね。


トップランクの選手は、一流振付師へのプログラム(振付)代、コーチへのコーチ料、衣装代、スケート靴の維持費、リンクを借り切っての練習代、オフアイスのトレーニング代(筋トレ、バレエ・ダンスレッスン)、海外試合の遠征費、etc、、、かなりのお金を払っている気がします。


フィギュアスケート=お金がかかるスポーツというイメージがあるので、賞金は選手へのご褒美として半分以上は分け与えれられてもいいなあ、という気がします。

フィギュア:高橋、2季連続の1位 世界ランキング


国際スケート連盟(ISU)は23日、世界選手権を終了した男子の3シーズン合計による世界ランキングを発表し、高橋大輔(関大)が4249点で2季連続1位となり、女子でトップの浅田真央(愛知・中京大中京高)と同額の賞金4万5000ドル(約450万円)を獲得した。


浅田真は世界選手権の優勝賞金4万5000ドルと合わせて9万ドル(約900万円)となった。


男子の日本勢では今季出場がなかった織田信成(関大)は9位。初出場の世界選手権で8位と健闘した小塚崇彦トヨタ自動車)が14位に入った。(共同)


毎日新聞 2008年3月24日 9時38分


下記の記事は、まさにその通りで、全米選手権の1位、2位の選手はジュニア扱いで今季の世界選手権には出場できませんでした。


女子シングルに関しては、トリノオリンピックを機に世代交代が行われましたが、バンクーバーの前にもう一度(プチ)世代交代は行われるような気がします。トリノオリンピック直後の世界選手権で優勝し、次世代の女王候補の一人と目されたキミー・マイズナーが、ジュニア世代の台頭により今やベテラン扱いですので。


というのも、ジュニア世代は、今のフィギュアスケートの新採点ルールに沿って小さい頃からトレーニングを積んできた選手達なので、上の世代の選手にしてみれば、とても怖い存在であるのは確かです。

フィギュア:真央も危機感 米ジュニア勢が続々参戦へ


スウェーデンで行われた世界選手権の全日程が終了し、昨年の安藤、今年の浅田と2年連続で女子は優勝したが、日本スケート連盟の伊東フィギュア強化部長は厳しい姿勢を示した。「来年は米国のジュニア勢がシニアに上がってくる。彼女たちはみんな3回転−3回転ジャンプを跳びますからね。日本ももっとレベルを上げないといけない」。全米選手権優勝の14歳、長洲未来は年齢制限のため、今大会には出場できなかった。ほかにも米国には世界ジュニア覇者のキャロライン・ザン、レイチェル・フラットらジャンプを得意とするジュニアが控えており、来季からはシニアに参戦してくる予定だ。浅田も「自分より年下の子がたくさん出てくると思うけど、負けないようにしないと」と危機感を募らせた。


浅田は今大会はフリーでトリプルアクセル(3回転半)に失敗し、10点近いロスをしながらも勝てたが、来季以降はそう簡単にはいかない。伊東強化部長は「女子は3回転−3回転の連続ジャンプの差が出る。浅田もフリーで3回転−3回転を2つしっかり跳ばないといけない」とトリプルアクセルとともに得点源となる3回転−3回転のレベルアップを求めた。


2008年3月24日


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