グランプリファイナル


女子シングルはキム・ヨナの一人勝ち状態。3位のコストナーから6位の浅田真央の4人が皆、59点台。トップのキム・ヨナと6位の浅田真央との点数差が5.58という結果なので、どんぐりの背比べ状態。明日のフリーの出来で表彰台の布陣はガラリと変わりそう。


しかし、8つの要素のうち1つが完全になくなってしまった浅田が3位と僅差というのも、なかなかにすごい。出場選手のほとんどが細かなミスを重ねているので、こういう(差がない)結果になったとも言えるのだが。。。

高橋首位、浅田真は6位 GPファイナル開幕


フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルが14日、当地のパラベラ競技場で開幕した。


<女子シングル>
女子SPは中野友加里早大)が59.78点で4位、浅田真央(愛知・中京大中京高)は59.04点で最下位の6位と出遅れた。前回女王の金妍児キム・ヨナ、韓国)が64.62点で首位で、昨季世界ジュニア優勝の14歳、キャロライン・ザン(米国)が61.82点で2位。


中野は得点が伸び悩んで4位。最初の3−2回転連続ジャンプで着氷がわずかに乱れたほか、ストレートラインステップでつまずいてスピードが落ちるなど、細かいミスが重なった。低い得点に観客からブーイングが起きたが、本人は「妥当な点数だと思う。私だけ3−3(回転連続ジャンプ)がないので」と納得顔。「先生(佐藤信夫コーチ)から散々言われていたステップで失敗したのが残念」と繰り返した。


金妍児 

(3回転フリップ−3回転トーループの連続ジャンプの二つ目が1回転)中国杯と同じミスをしたが、今回は得点は良かった。テレビで見ていたトリノ五輪の会場で滑るのは気持ちいい。


◇浅田、まさかの最下位…ショートプログラム

すっかりリズムが狂ってしまった。今季は毎試合、ジャンプをミスしてきた浅田が、この日も失敗。まさかの最下位に沈んだ。


今季、SPで一度も成功していない冒頭の3回転フリップ−3回転ループ連続ジャンプ。最初に跳んだ瞬間に回転軸が傾き、強引に二つ目を続けたものの、着氷が乱れて両手をついた。さらに3回転ルッツを跳ぶ前に入れたステップでバランスを崩し、ルッツを跳べないという大失敗。「ステップで引っかかってしまった。こんなことは今までにない」とぼう然と振り返った。


今季のルール改正でジャンプの踏み切る形が厳格に審査されるようになり、ルッツの矯正に取り組んだところ、フリップが不安定になった。この日の演技開始の際、立つ位置がなかなか決まらなかったが、これも不安の表れか。「ノーミスでやろうと思ったのに残念」。首位まで逆転可能な5.58点差だが、「ジャンプの申し子」の苦悩の影は濃かった。【来住哲司】


男子シングルは高橋大輔が良かった。苦手なスピンも3つ中2つがレベル4(もう一つはレベル3)。ステップはレベル3だが大幅加点あり、という内容。ただ、今大会のテクニカルジャッジが結構甘いのと、プロトコルの細かな要素を見ると2位のランビエールがパーフェクトな演技をすれば負けてしまう点を考えると、金メダルを確実に狙うには更なるレベルアップが必要なんだろうなあ、と今日のショートプログラムの演技を見ていて思った。

<男子シングル>
男子のショートプログラム(SP)で高橋大輔(関大)が今季世界最高の84.20点を出し、首位に立った。元世界王者のステファン・ランビエル(スイス)が83.80点で2位。


◇ヒップホップ調「白鳥の湖」で魅了

日本のエース・高橋がトリノの観客を、そして審判を魅了した。ヒップホップ調の「白鳥の湖」という新機のプログラム。会場をわかせ、今季世界最高得点をたたき出した。


冒頭の3−3回転、続くトリプルアクセル(3回転半)などジャンプをすべて決め、中盤のサーキュラーステップでも見せ場を作った。だが、「緊張でスタミナ配分がうまくいかず、後半ばてた」という。スピンや終盤の見せ場のストレートラインステップはスピードや切れがいまひとつ。「納得のいく演技ではない」と悔やみつつも、観客の手拍子を誘い、表現力などを示すプログラム構成点は5項目中2項目で8点台の高得点をマークした。


昨季まではクラシック曲など「王道」のプログラムを使ってきたが、演技の幅を広げるため、今季はSPで趣向を大きく変えた。上体を激しく動かすヒップホップは、氷上の滑りとは本来相入れない。だが、夏場に個人レッスンを受け、氷上では毎日1時間近くもステップだけの練習をして、成果を出した。プログラム構成点の高さに長光歌子コーチは「今までだれもやらなかった、新しい取り組みが評価されたと思う」と指摘する。


4回転ジャンプを跳んだライバルたちを抑え、堂々の首位。「フリーはハードな勝負になる。4回転を跳ぶ」。日本男子初のGPファイナル優勝の偉業達成へ向け、高橋が決意をみなぎらせた。【来住哲司】


<ペア>
ペアSPはアリョーナ・サブチェンコ、ロビン・ゾルコビー組(ドイツ)が72.14点で1位で、川口悠子アレクサンドル・スミルノフ組(ロシア)は51.74点で6位。


アイスダンス
アイスダンスオリジナルダンス(OD)はタニス・ベルビン、ベンジャミン・アゴスト組(米国)が63.64点でトップ。最終日の15日は各種目のフリーが行われる。


毎日新聞


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