中国杯
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第3戦の中国杯最終日は10日、当地で行われ、女子はショートプログラム(SP)で11位だった村主章枝(avex)がフリーで3位に入り、合計137・13点で4位だった。
昨季のGPファイナル覇者、金妍児(韓国)が180・68点の高得点で、SP3位から逆転優勝した。2位は14歳のキャロライン・ザン(米国)で、SP首位のカロリナ・コストナー(イタリア)は3位に終わった。
◇段違いのうまさ
多くの韓国人観客も詰め掛けた中、金妍児がSP3位から逆転優勝した。「SPでミスがあって神経質になってしまったんだけど、9日にたっぷり練習したおかげで、リラックスして滑れた」と会心の表情を見せた。
14歳のザンや、転倒を連発したSP1位のコストナーに比べて段違いのうまさ。それでもジャンプで1カ所ミスがあり「内容には満足していない。これからも厳しい練習を続ける」と油断する様子はなかった。
◇転倒を避けて安全策
SP11位と大きく出遅れた村主がフリーは3位と巻き返し、4位に食い込んだ。「SPよりはよかった。まだ仕上がってない部分があるので修正していきたい」と安堵(あんど)した様子だった。
予定していた連続ジャンプを1回にしたり、3回転を2回転にするなど、転倒を避けて安全策を取った。それでも着氷でバランスを崩しかける場面があり「練習では安定しているんだけど、試合になるとミスが出る」。力を出し切れないもどかしさを口にした。
ロシアに拠点を移した今季の初戦。SPでの出遅れなど全体としては満足できていない様子。「うまくいかない原因は気持ち的なものではない。コンディションの持って行き方で試行錯誤がある」と打ち明けた。
シーズン前は「ジャンプよりスピンとかで頑張る」と話していたが「スピンもまだ甘い。もう一度見直さないと」と厳しい口調。一方で「2回連続3回転ジャンプは光が見えてきた」。
課題と希望が混在している。「死にそうなほどしている」という練習を続けるしかないようだ。
▽女子
(1)金妍児(韓国)180・68点(ショートプログラム58・32、フリー122・36)
(2)ザン(米国)156・34点(58・76、97・58)
(3)コストナー(イタリア)143・86点(60・82、83・04)
(4)村主章枝(avex)137・13点(44・76、92・37)
男子の柴田嶺(明大)は134・19点で最下位の12位だった。SP2位のジョニー・ウェア(米国)が231・78点で優勝し、2位はエバン・ライサチェク(米国)。
◇転倒連発し最下位
SP最下位だった柴田はジャンプで転倒を連発するなどフリーでも精彩を欠いた。「やはり練習ができてなかったことが、こういう結果につながった」と肩を落とした。
夏の練習で起こした左足甲の炎症が、まだひいていない。「不安があって出たくない気持ちもあった」という。
▽男子
(1)ジョニー・ウェア(米国)231・78点(ショートプログラム79・80、フリー151・98)
(2)ライサチェク(米国)229・36点(81・55、147・81)
(3)ランビエル(スイス)192・22点(70・20、122・02)
(12)柴田嶺(明大)134・19点(48・70、85・49)
アイスダンスはタニス・ベルビン、ベンジャミン・アゴスト組(米国)が合計195・11点で、スケートアメリカに続いて優勝した。
毎日新聞 2007年11月11日 東京朝刊