スケートアメリカ

安藤2位、2連覇ならず スケートアメリカ


フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦、スケートアメリカ最終日は28日、レディング(米ペンシルベニア州)で女子フリーを行い、前日のショートプログラム(SP)2位の世界女王、安藤美姫トヨタ自動車)はフリーで1位となったが、合計161.89点で2位に終わり、大会2連覇はならなかった。


優勝は昨年の世界選手権覇者のキミー・マイズナー(米国)で163.23点。浅田舞中京大)は120.49点で8位だった。


アイスダンスはタニス・ベルビン、ベンジャミン・アゴスト組(米国)が合計192.95点で優勝。キャシー・リードクリス・リード組(川越ク)は142.63点で9位だった。(共同)


安藤美姫 
不安もあったけど、落ち着いて演技ができた。ここまで評価されてうれしい。トレーニングを一からやり直し、次の試合に臨みたい。(共同)


◇フリーは最高得点 連覇逃すも女王の力見せる 
連続3回転ジャンプの後半部分を2回転にした。タイミングが合わずに3回転ジャンプも一つあきらめた。安藤は「(高得点の)ジャンプなしでここまで評価されることが分かって良かった」と、大会2連覇は逃したが、小差の2位を振り返った。


フリーでは最高得点をマークした。優勝したマイズナーとは合計でわずか1.34点差。逆にいえば、ステップで転倒した前日のSPを滑りきっていれば、優勝していたことになる。昨年はこの大会で、トリノ五輪の惨敗から復活を果たす優勝を遂げた。今年は3月に世界選手権を制し、女王として臨んだ。新しいシーズンを優勝では飾れなかったが、総合力の高さはあらためて示した。


極度の緊張でSP前夜は左まぶたが上がらなくなったという。「精神的なものと言われた。ちょっと落ち着かなきゃと思いました」。この日は緊張を脱し「落ち着きすぎて抑えてしまった」というまでの精神状態をつくった。厳しい戦いを経験してきた証拠だろう。


まずは痛めている右肩を治療し、11月29日開幕のNHK杯を目指す。「あとは気持ち。自分を見せる、表現するという気持ち」。気持ち、という言葉を繰り返した。(共同)


〇…マイズナーがSPのリードを守って優勝した。3回転ジャンプの着氷で両足を着くミスはあったが、堅実な滑りを見せ「新しいプログラムを完ぺきに滑れないのは分かっていた。でもこの結果には満足」と話した。


昨季のスケートアメリカは安藤に次いで2位。「このアメリカで国歌が聴けてよかった」。昨年の世界選手権女王は、地元での勝利を気持ちよさそうに振り返った。(共同)


毎日新聞 2007年10月29日 8時06分 
(最終更新時間 10月29日 11時04分)