2007年9月
- 作者: 浅田次郎
- 出版社/メーカー: 朝日新聞社
- 発売日: 2005/09/15
- メディア: 文庫
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映画化にもなった、浅田次郎お得意の人情もの。過労死したデパートの課長、椿山が死に納得できず、7日間だけ現世に戻れるという話。ただし、その容姿は、生きていたときともっとも遠い容姿の別人となって。。という但し書きがつく。
現世に甦りするのはデパート課長の椿山、ヤクザの親分武田、そして少年雄一の3名。3名が3名とも、とても良い人で、現世に戻った彼らの行動から、自分を取り巻く人たちからどう思われていたか、回りの人たちが自分をどう思っていたかを小説の中で読者は知っていくことになる。いうなれば、死んでからの自分探しの旅を彼らはすることになるのだが、ここからが浪花節のならぬ、浅田節の腕の見せ所で、知らず知らずのうちに涙してしまう読者も多いと思う。
彼の作品を読んでいつも思うのが「世の中にはほんとうに悪い人はいない。心根は皆優しいのだ。」という性善説的なスタンスで終始貫かれている点だが、この作品でもそれは徹底している気がする。
個人的にはラストの展開がイマイチ納得がいっていないのだが、まだ読んでいない人もいると思うので、その点については触れないでおいた方がいいかなあ。。。