『サージェントとヴェニス展』

アメリカを代表する印象派画家であり肖像画家でもあるサージェント。フィレンツェで生まれヨーロッパで大半を過ごしたという、アメリカ人らしからぬ経歴の持ち主である彼は、ヴェネチアをしばしば訪れ、この地で複数回に渡り展覧会(ビエンナーレ)を開いていたという。
今回の展覧会では、プライベートコレクション(個人蔵)の彼の水彩画を中心にサージェント作品が45点(4セクション)、そして彼が活躍した時代のヴェネチアの画家の作品が1セクション展示されている。サージェントの作品は油絵と水彩画と両方展示されていたが、個人的に水彩画の透明な色彩がサージェント作品に感じる「清々しさ」や「清楚な華やかさ」をよりよく表しているように思った。なんのことはないさらっとした水彩画なのだが、見ていると幸福感を感じる絵が多い。それは画家の力量によるところも大きいと思うが、おそらくそこに描かれている景色=ヴェネチアによるところも大きいのだと思う。今回旅行でヴェネチアを訪れたが、この街の独特の美しさは、どの街にも負けない。幸福感を感じるのは、サージェントの絵を眺めながらも、いつしか、ついさっきまで歩いて脳裏に焼きついているヴェネチアの景色をその絵の中に重ねあわせて見てしまっているのかもしれない。とにかく、ヴェネチアは絵になる街だ。(展示作品数から言うと9ユーロは高いとは思うけど。5〜7ユーロくらいが妥当だと思う。)


企画力  :★★★☆☆
展示方法 :★★★☆☆
作品充実度:★★★★☆
満足度  :★★★★☆



写真はこちらにアップしています。
時間があったら寄ってみてください。→http://plaza.rakuten.co.jp/caltec/diary/



(快晴)@ヴェネチア