世界選手権

アイスダンス 渡辺組、15位発進


フィギュアスケートの世界選手権が20日、東京体育館で開幕し、第1日はアイスダンスの規定とペアのショートプログラム(SP)が行われた。アイスダンス渡辺心(のぞみ)、木戸章之組(新横浜プリンスク)は28・46点で15位につけた。前回2位のマリーフランス・デュブリュイル、パトリス・ローゾン組(カナダ)が38・96点で首位に立ち、アルベナ・デンコワ、マキシム・スタビスキー組(ブルガリア)は2位。


ペアSPの首位は今季グランプリ(GP)ファイナル優勝の申雪、趙宏博組(中国)で71・07点。川口悠子アレクサンドル・スミルノフ組(ロシア)が4位、井上怜奈、ジョン・ボルドウィン組(米国)が6位。21日は、男子SP、ペアのフリーが行われる。


◇ベスト更新に満足

昨春結成されたばかりの川口、スミルノフ組が大健闘のSP4位。スロー3回転ループを決めるなどほぼノーミスでまとめ、自己ベスト(59・46点)を更新する62・07点をマークした。


川口は「とても満足している。フリーでは練習してきたことを100%出したい」とコメントした。


川口は別のパートナーと組んでいた03年大会以来の世界選手権出場で、ロシア代表としては初めて。昨年12月の練習で右足首にヒビが入り、約2カ月間練習できなかったが、そんなハンディを感じさせなかった。


◇最後の舞台へ、巻き返し誓う

最後の勝負が始まった。今大会限りで引退する渡辺、木戸組が規定15位で発進。ステップは滑らかで深くエッジに乗り、正確なトレースを描いた。課題曲のルンバに木戸は「独特のリズム感で、マニアックな技術が必要」と苦手意識があったが、「思った以上にできた」と満足そうだ。


36歳の渡辺と31歳の木戸はコンビ結成から13年目。引退を控え、渡辺は「2週間前から悲しくて」と打ち明ける。寂しさを感じながらも、2人は近年のビデオだけでなく、84年サラエボ五輪優勝の伝説のカップル、トービル、ディーン組(英国)など古いビデオも見て研究を重ねてきた。


トリノ五輪で日本勢史上最高の15位に入り、5年連続出場の今大会は日本勢最高順位(13位)の更新がかかる。この日は表現力などを問うプログラム構成点が低く抑えられ、総得点は自己ベスト(32・63点)に遠く及ばない28・46点。「少しでも上に行きたい」と木戸。欧米が主流の種目で苦戦を強いられてきた2人が、有終の美を飾るべく巻き返しを誓う。


【来住哲司】(毎日新聞 2007年3月21日 東京朝刊)