冬季アジア大会

フィギュアスケート:世界王座4年ぶり奪還へ 申雪・趙宏博組、冬季アジア大会4連覇


4日に閉幕した長春冬季アジア大会フィギュアスケートペアで、申雪(28)、趙宏博(33)組=中国=が4連覇を飾った。92年にペアを結成し02、03年の世界選手権で優勝した大ベテラン。昨季は趙のけがに泣き、トリノ五輪では銅メダルにとどまったが、今季は完全復活。アジア大会4連覇の勢いに乗り、3月の世界選手権(東京)で4年ぶりの世界王座奪還を期す。


今大会ではショートプログラム(SP)、フリーとも1位の完全優勝。フリーでは、冒頭の3−2回転連続ジャンプの二つめが1回転になるなどミスも目立ったが、表現力などを問うプログラム構成点は5項目とも8点台の高得点を並べた。計195・55点をマークし、同五輪4位で昨季世界選手権優勝の〓清、〓健組(中国)に14点余りの差をつけた。もっとも、計206・59点の自己ベスト更新が今大会の目標だったため、趙は「高い点なので(更新は)難しい」と残念がった。


05年夏に趙が左足アキレスけんを断裂し、数カ月のリハビリを余儀なくされた。わずか約2カ月の練習で出場した同五輪では、02年ソルトレークシティー五輪と同じ銅メダル。だが、「引退説」を覆して臨んだ今季、持ち味の高くて飛距離のあるスロージャンプが戻った。中国杯、NHK杯、グランプリファイナル、アジア大会と連戦連勝だ。


世界選手権でも優勝候補の筆頭だが、今季限りの引退説もある。申は「東京が最後」と意向を漏らしたが、国家的スターともなるとすんなりやめるわけにはいかない事情もあるようだ。進退も含め、世界選手権ではファンの注目を集めることは間違いない。


【来住哲司】(毎日新聞