トップランナー:宇多田ヒカル

caltec2006-06-22



毎回楽しみに観ているNHK教育の「トップランナー」。今回のゲストは宇多田ヒカル。テレビ出演の際の、あの独特のタメ口発言などにより、実はあまりいい印象を持っていなかったのだが、今回の放送を見て「宇多田は大変だったのだ」ということがわかった。


両親ともに音楽家であるという環境と、その両親に振り回されて育った(急に「明日からアメリカで暮らす」と言われたり、両親が何度も離婚→結婚を繰り返す(しかも相手は同じ))ことから、「何があっても動じない」クールな自分であることを自らに課すことによって、バランスを保ってきたのが昔の彼女だったのではないか、と番組を見て思った。


彼女が大病をしたときに「自分の弱さをさらけ出すことで、初めて自分が強くなれた気がする」と語ったのだが、それは、これまでの本当は動揺していても必死に強がって何気ない素振りを見せることで「強がっていた」自分ではなく、弱さを表に出した「本当の素の」自分でいることを許した瞬間でもあったと思う。心の鎧を外すことが出来て、初めて自分は強くなれた、素直な自分を露呈する自信がすわなち「強さ」なんだと思う。


デビュー曲「automatic」が大ヒットし、普通の10代の少女が送る生活とは全く違った人生を歩んできた彼女だが、経験することは悪いことではないと、今までの自分の人生を受け止め、これからに向かって準備しているような印象を受け、何だか頼もしい気がした。


コロンビア大学のことと、全米デビューの結果あたりについては、個人的に知りたかったりもしたのですが、当然のことながら、それは番組では扱いませんでした。