2006年3月

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)

上巻では、まだ謎だらけで終わってしまう、というのが読後の正直な感想。ただ文中で語られる「聖杯」「シオン修道会」「テンプル騎士団」というキーワードから「ダ・ヴィンチ・コード」がキリスト教のマリア信仰、聖杯と関連しているとわかる。文中で語られるいろいろな記述を読むと、今まで捉えていた西洋美術とキリスト教の関係に新たな解釈が加わって面白い。

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ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)

中巻になり、主人公ラングドンとソフィーの置かれた境遇や、物語の全貌も明らかになり、読んでいくうちにどんどん物語の世界に引き込まれていく展開に。謎解きの楽しさと、西洋美術の教養を知る楽しさと、物語の展開を知りたいという楽しさで早く次へ、と心が急かされる。。中巻の最後でラングドン達がロンドンへ向かうことで、ルーブル美術館から始まった物語はフランスからイギリスへとその舞台を移すことになる。

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ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)

ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)

さて、最後まで読んでみて。。。面白かったです。『レックスムンディ』や『聖骸布血盟』などを読むとより一層作品の世界を楽しめると思います。

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東京タワー

東京タワー

話題となっていた江國香織の『東京タワー』を読んだ。読んだ感想としては、イマイチ。というのも、主人公である19歳の2人透と耕二の心情にリアリティがあまり感じられないから。どちらかというと、透と耕二が付き合っている30代の女性、詩史と喜美子の目線から書かれた19歳の少年の心情(憶測)が綴られているような印象を受けた。
作者である江國さんが女性であるから仕方がないのかもしれませんが、19歳の男の子はああいう考えはしないものですよ。そんなに観察眼が鋭くないし、日常の仔細なことに心を揺らすこともあまりないと思う。
今度は逆パターン、詩史と喜美子をメインに『もうひとつの東京タワー』という続編を書くと面白いと思います。というか、僕はこのパターンの方が読んでみたいです。

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(風が強い!)