いろいろとわかってきたようです。

スケート連盟専務が賃貸借契約に署名 記念品購入も決裁


日本スケート連盟の不透明支出問題で、久永勝一郎元会長が国際事業委員会を自分の経営する会社に理事会の承認を得ないで間借りさせた際、事業委の事務局長だった松本充雄専務理事(69)が賃貸借契約書に事業委側代表として署名していたことがわかった。松本氏は同社からの記念品購入を決裁していたことも判明。現職の専務理事が事業委の不透明な支出に関与していた実態が明らかになった。連盟は15日にも調査委員会の初会合を開く見通し。


事業委は98〜04年、久永氏の経営する健康用品販売会社があった東京都豊島区のマンション(約68平方メートル)に同居。家賃月25万円、総額1700万円を支出させていた。

 
契約は、当時会長だった久永氏と事業委事務局長で理事だった松本氏が理事会の承認を取らずに締結。松本氏は連盟側代表として署名、久永氏が同社を経営していたことを知っていたという。


00年になって連盟の公認会計士から契約手続きの不備を指摘されたが、同社と契約を結んでいたことはその後の理事会でも報告していなかった。


これまでの内部調査で、02年国際スケート連盟京都総会の出席者への記念品として久永氏が自分の会社を通して納入した蛇の目傘1000本(計300万円相当)は、松本氏が決裁印を押していたことが確認された。


松本氏は朝日新聞の取材に対し、1億5000万円以上の赤字を出した支出の大半は、久永、松本両氏が決裁したことを認めた。


また、久永氏の後任で今月初めに死去した白川博前会長は在任中の05年に「久永元会長と松本専務が事業委を連盟から切り離し運用した結果、連盟財政のゆとりをほとんど食いつぶした」などと連盟幹部に書簡で伝えていたという。


松本氏は「(事務局長として)責任がないとは言い切れない」としつつ、専務理事の職にとどまり、内部調査に関与していく考えを示した。


久永氏はフィギュア出身で外資系医薬品メーカー元社長。「フィギュア界のドン」とも言われ、国際スケート連盟副会長を務めた。松本氏はスピード出身で、久永氏が会長時代の00年に専務理事に就いた。


2006年03月15日11時58分(朝日新聞

スケート連盟部長、元会長会社の筆頭株主


日本スケート連盟の国際事業委員会が不透明な支出をしていた問題で、久永勝一郎元会長(74)が経営していた会社の役員が朝日新聞の取材に対し、連盟の城田憲子フィギュア強化部長(59)が会社設立時に筆頭株主となり、城田部長分の配当金も支出されていたと証言した。城田部長は、同社内に間借りしていた事業委の事務局次長だった。


久永元会長は97年8月、都内に健康用品販売会社を設立。この役員によると、城田部長は設立時(資本金2500万円)から出資金600万円で120株を取得して筆頭株主となり、取締役に就任した。同社は城田部長の分と、95株を取得していた久永元会長の分の配当金を同じ口座に振り込んでいたという。


城田部長は、事業委が連盟本部に戻った後の05年3月に取締役を辞任。この役員によると、城田部長の出資金600万円については同部長名義の口座に振り込み、資本関係を解消したという。


城田部長は当初の朝日新聞の取材に対し、取締役就任やマンション所有について「名義を貸していただけ」と説明。出資金については「自分のお金で出した」と答えていた。その後、筆頭株主として配当金を得た経緯などについて尋ねたところ、連盟を通じて「何もお答えすることはない」との回答があった。


一方、久永元会長は、城田部長の出資金について「私が立て替えたはず」としたうえで、城田部長分の配当金については「城田部長にいっている」と説明している。


久永元会長は元フィギュア選手で88年のカルガリー五輪のフィギュア監督。日本人初の国際スケート連盟副会長も務め、「フィギュア界のドン」と言われた。


城田部長もフィギュア出身で、久永元会長が連盟副会長時代に理事、フィギュア強化部長に就任した。長野、ソルトレークシティートリノ五輪の3大会連続でフィギュア監督。トリノ五輪では、金メダルを獲得した荒川静香選手に寄り添っていた。


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日本スケート連盟は15日、都内で調査委員会の初会合を開いた。調査委の設立は事業委の支出を決裁していた松本充雄専務理事を中心に進められ、委員長やメンバーは公表されていない。会合の内容についても連盟は「ノーコメント」としている。


2006年03月16日03時02分(朝日新聞