宝塚星組:ベルサイユのばら

caltec2006-03-02



東京宝塚大劇場にて、星組公演「ベルサイユのばら 〜フェルゼンとマリー・アントワネット編〜」を観劇。今まで色々なバージョンの「ベルサイユのばら」があったと思うが、今回の星組公演は「マリー・アントワネット編」と呼ぶのが一番しっくりくるくらい、アントワネットに焦点が当てられていた作品になっていたと思う。ちょっとずつ手直しされながら次世代に受け継がれていくのがこの作品なのだろう。


マリー・アントワネット役の白羽ゆりは本公演で娘役トップお披露目ということだったが、とても魅力的にアントワネットを演じていたと思う。歌も芝居も無難にこなし、破綻のないしっかりとした娘役トップだな、という印象を受けた。そして何より華がある点がマリー・アントワネットという役に合っていたと思う。


フェルゼン役の湖月わたるだが、芝居云々以前に、フェルゼンの衣装がパステルカラーばかりなのには、驚いた。藤色やエメラルドグリーン、スカイブルーはいいとしても、パステルピンクの衣装のフェルゼンはどうかと思う。。。どちらかというと濃紺や紫で高貴なイメージを醸し出していた歴代のフェルゼンとは全く違う衣装の配色にまずビックリしてしまった。星組公演を見るのは湖月トップお披露目の「アイーダ」以来なのだが、安心して観ていられるタイプの男役として成長した気がした。小手先の器用なタイプではなく、広く大きな心で相手を受け止めるタイプの男役なのかな。昔は気になっていた歌声のビブラートや鼻にかかったような発声方法も本公演は気にならず。。。それ以上に背が高くスタイルが良いので「ベルサイユのばら」のようなコスチュームプレーだと舞台栄えするなあ、という思いのほうが強く、以前観たときに感じた不満感は本公演では感じなかった。


長身であり、コスチューム(軍服)が似合うなあ、というのはジュローデルを演じた涼紫央についてもいえる。押し出しの強いアンドレ役の立樹遥と比べると、舞台上で発散されるパワーは少ない気もするが、その抑え気味の演技が、作品全体のバランスの中では逆に良かったと思う。やはり長身男役はコスチュームものは得だなあ、という思いを涼を観て強くした。


割を食らったのは、オスカル役の安蘭けいだろうか?宝塚大劇場ではアンドレ役を演じていたのでまだオスカルがこなれていないのかもしれないが、近衛兵隊長のオスカルと、一個人のオスカルの演じ分けが上手くできていない気がした。湖月・安蘭・涼と3人で並んでしまうと、身長やバランスにおいてはちょっと損だよなー。歌は上手いし、芝居も下手な人ではないと思うので、楽日近くになれば素晴らしいオスカルを演じてくれると思うので、今後の変化に期待したいと思う(楽日近くにまた観ることになると思うので)。


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