トリノオリンピック


女子の代表が大きく取り上げられていますが、実はこんな問題もあったのですよね。。


ソフトのトラブルではなく、人的なミスだったということが今頃になってわかったということですが。。。うーん。。。

フィギュア採点トラブル、原因は審判の判断ミス
(2005年12月29日18時52分)


24日にあったフィギュアスケート全日本選手権男子で、表彰式後に、2位だった高橋大輔が優勝となり、優勝と発表された織田信成(ともに関大)が2位に変更になった採点トラブルの原因は、日本スケート連盟が当初説明していた採点ソフトの不備ではなかったことが29日、わかった。織田が規定を超える3回転ジャンプを跳んでいたのに、審判がその得点を除外しなかったことが原因という。
 

規定では、演技で2回跳ぶことができる3回転ジャンプは2種類まで。しかし織田は3種類の3回転ジャンプを、2回跳んでいた。当日深夜に同連盟が行った説明では、国際スケート連盟(ISU)の採点ソフトを日本独自のソフトにする際、「規定を超える3回転ジャンプを得点から除外する設定を発注していなかった」としていた。


だが、実際はソフトには組み込まれていた。織田のジャンプの規定違反がまれなケースだったため、本来なら審判が手動で削除しなければいけなかったが、その判断が遅れたという。


24日は再三、電源が落ちるなどのトラブルが発生。男子の競技終了時点で進行が予定より15分以上遅れており、日本連盟関係者は「採点の確認作業に十分な時間が取れなかった」としている。

ちなみに、当初はこのように発表されていました。

優勝者入れ替わる、前代未聞の事態に 男子フィギュア
(2005年12月25日00時32分)


トリノ五輪の最終選考会を兼ねて東京・代々木競技場で24日に行われたフィギュアスケート全日本選手権で、採点集計にミスがあり、優勝者が入れ替わるという前代未聞の不祥事が起きた。2位だった高橋大輔(関大)が優勝となり、トリノ五輪代表の座を確実にした。


当初、ショートプログラム(SP)首位の織田信成(関大)は自由で146.20点を挙げ、合計226.10点で1位と発表された。2位にはSP2位の高橋が自由148.60点の合計223.12点で入った。表彰式も終わった直後、舞台裏が大混乱した。


日本スケート連盟の小野長久フィギュア部長が「織田選手の点数計算にミスがあった。減点すると1位と2位が入れ替わる」と発表。その後、国際スケート連盟(ISU)の規約に照らし合わせ、高橋の優勝と織田の2位が正式にアナウンスされた。


小野部長によると、3回転ジャンプは2種類までしか2回跳べないことになっているが、織田は3種類を2回跳んでしまったという。本来ならゼロとなる3種類目の得点が、そのまま合計されてしまった。 改めて集計した結果、織田の得点は7.4点減らされて218.70点となり、高橋の初優勝となった。


小野部長は「大切な全日本選手権で集計ミスが起こり申し訳ない」と謝罪した。ISUは昨季から新採点システムを採用した。ただ、ISUの機材を購入するには多額の費用がかかり、しかも英語が使用言語のため、日本国内で独自にシステムを開発した。今回はプログラミングの発注漏れに加え、集計結果を最終チェックする際にも、その誤りに気づかなかった。小野部長は「機械的なミスもあるし、人為的なミスもある」と話した。


関係者によると、一度は大喜びした織田は、優勝がなくなったことを知り、泣き崩れてホテルに戻ったという。その後、高橋1人が氷上で優勝杯とメダルを授与された。すでに観衆も帰宅していたため、連盟では25日の女子の表彰式の前に、改めて男子の表彰式を行うとしている。

思わぬ形でトリノ代表確実に 「複雑です」と高橋
(2005年12月25日01時01分)


「複雑です。素直には喜べない」。たった一人での表彰式を終えた高橋がつぶやいた。トリノ五輪代表をほぼ確実にする優勝は、思わぬ形でやってきた。


最初の4回転ジャンプでは回転が足らずに両足で着氷。トリプルアクセル(3回転半)はSPと同様、1回転半に終わった。これが響き、一度は2位と判定された。


「もう、トリノはないな」。ポイントでは織田を上回っていたが、これで今季の直接対決で1勝2敗。選ばれなくてもしかたがない、という覚悟で、悔し涙も流した。


それでも、この日、最も観客をわかしたのは高橋だ。


「最後まで盛り上げられたと思う」と言うように、終盤、リンクの端から端までのストレートラインステップでは大きな拍手を誘った。そのスピード感は日本人ではず抜けており、世界でも有数の存在にまで成長している。


ジャンプの安定感では織田に負けているが、滑りの切れ味という点では、五輪代表にふさわしい。


優勝が決まっても、「ちゃんと全日本チャンピオンになって、五輪に行きたかった」と言った。今回は負けたという思いが、最後まで残った。


自分のことを「へたれ」と言い続ける19歳。精神面の弱さを克服できるか。それが、トリノで羽ばたけるかどうかのカギを握る。

勝負をかけた3回転、採点されぬ悲運 織田V逃す
(2005年12月25日10時43分)


勝負をかけたトリプルアクセル―3回転―3回転の3連続ジャンプが、結果的に織田を奈落の底に落とした。


3連続ジャンプの最後が3回転ループだった。これを跳ぶことを決めたのは、前日だった。そして、3回転ループは演技中盤にも組み込まれていた。


もともとプログラムには3回転ルッツが2回、3回転トーループが2回入っていた。3回転で同じ種類のジャンプは2度までしか採点対象にならない。3回転ループも2度となると、同じジャンプが3度となるので、どれかを2回転にしなくてはいけなかった。


ところが、この最初の3連続ジャンプの最後のループは回転不足の上に転倒した。


織田が回転不足を自覚して2回転ループを失敗したと考えたのか。その胸中は分からないが、途中のループを2回転にすれば良かったところで、3回転をきっちり跳んでしまった。


だが、判定は最初の3連続の最後は「3回転ループの挑戦」ととられていた。だから、一番最後に跳んだ3回転ルッツの点数が削られた。


一度は表彰式の一番上で笑顔を見せた織田だったが、無言でリンクを後にした。