中国大会

caltec2005-11-06



さて、気になっていた浅田真央のデビュー戦だが、なんと銀メダルを獲得。特筆すべきは、今大会での上位陣の点数。3位の荒川でも173.60点を獲得しており、グランプリシリーズの前2大会(アメリカ大会、カナダ大会)に出場していれば、荒川の点数でも優勝してしまうくらい、高レベルでの争いが繰り広げられていたことになる。(まあ、2003年と2004年の世界チャンピオンが出場しているのだから当たり前か。。。)


しかし、初出場で2位とは、浅田選手、なかなかの上出来ですね。中国大会に限っては(?)、NHKのBSでタイムラグがあまりなく大会の模様を放映していたので、テレビで彼女の演技を見ましたが、ジャンプの技術力の高さはもちろんのこと、作り込んだもののとは違う、彼女がもともと持っている表現の豊かさ、みたいなものが演技からあふれていて、なかなか見ごたえがありました。ただスルツカヤ、荒川両ベテラン選手と比べると、まだジュニアの域を脱していない点も多いとは思いますが、彼女は15歳、まだまだこれから発展する余地はたくさんあると思います。

フィギュアスケート中国杯 勝負強さが浅田真央カラー−−女子総合2位


【北京・来住哲司】

当地の首都体育館で行われているフィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第3戦、中国杯第3日の5日、女子のフリーでSP(ショートプログラム)2位の浅田真央(グランプリ東海ク)が合計得点176・60点で2位、SP3位の荒川静香プリンスホテル)が計173・60点で3位。SP首位のイリーナ・スルツカヤ(ロシア)が計196・12点で2連覇。


輝け「バンクーバーの星」


ジュニアで無敵だった実力は、シニアでも十分通用した。15歳の浅田真の海外シニアデビュー戦は、本人が「上がれるとは思わなかった」という表彰台が待っていた。


ノーミスだったSPに比べ、「緊張した」というこの日。冒頭のトリプルアクセル(3回転半)は回転不足のうえ、着氷で手をついた。「勢いがなく、跳んだ時も(体の軸が)ゆがんでいると思った」と悔やんだが、失敗を後に引きずらない。片手のビールマンスピンなどでアピールした。


「体力がなく、スピードがなかった」と反省した通り、後半はスピード感が今ひとつ。当初は3回転半を含む連続ジャンプを準備していたこともあり、樋口美穂子コーチは「エレメンツ(要素)ごとの練習が多く、4分間通して滑る練習が不足していた」という。それでも銀メダルを獲得するあたり、技術に加えて勝負強さも備えている。


演技直前の6分間練習でコスチュームの両脇が破れた。昨年から身長が5センチ伸びたが、まだ大きくなっているのか。17日からのフランス杯に向け「トリプルアクセルを決めたい」と意気込む。6月末までに15歳に達していなかったため、年齢の規定でトリノ五輪に出場できないのが惜しまれるが「バンクーバー五輪の星」は無限の可能性を秘めている。


見せつけた女王の貫禄


スルツカヤがSP、フリーとも1位で2連覇。3−2−2回転の3連続ジャンプ、ビールマンスピンなどで得点を稼いだ一方、終盤のスピンはスピードに欠けるなど決して完ぺきではなかったが、世界女王の貫禄を見せて日本勢を寄せ付けなかった。トリノ五輪に向けて「ロシア杯、国内選手権など試合が多くあり、一つずつ(調子を)上げていきたい」とさらなるレベルアップを狙っている。


メリハリをつけないと


荒川はフリーで2位だったが、総合でSP2位の浅田真にわずかに及ばず3位に甘んじた。SPに比べれば伸びやかな滑りを取り戻し、まずまずの内容。だが、3−3回転の連続ジャンプの二つ目が回転不足、3回転ループが2回転など得点の取りこぼしも相変わらずだ。「全体的に抑えて滑って強弱がない。メリハリをもっとつけないと」と反省した。


もっとも、今季GPシリーズ初戦であり、「今季から初めて取り組んだスピンやスパイラル、ステップだから、今のところはこんなもの」。17日開幕のフランス杯に向けて「一つ一つを見直して臨みたい」と巻き返しを誓った。


毎日新聞 2005年11月6日 東京朝刊)


ちょっと気がかりなのが、荒川選手のプログラム。プログラム構成もそうだが、選曲も再考の余地ありな気がする。曲が一本調子で盛り上がりに欠けるのと、演技自体にもメリハリがなく、いまいち印象に残らない。細かい技一つ一つをよーく見てみると難しいことをしようと試みているのだが、それが印象に残らないプログラム構成&選曲は少し考え物ではないだろうか?
あとは、荒川選手がプログラムをこなしきれていないため、各要素で加点をもらえず、逆に原点されていたり、グレードが落とされていたりする箇所も多い。これでいいんだろうか?