スケートカナダ

caltec2005-10-31



スケートカナダのフリーの結果。予想通り、村主選手は演技時間の長いフリーは持ちこたえられませんでしたね。ただ、上位陣の失敗による結果だったとはいえ、中野選手の3位入賞。男子織田選手の同じく3位入賞は良い知らせかもしれません。男子4位の本田選手と織田選手の得点差も僅か1.28点。今回は新星にメダルを奪われた形になったが、怪我で2シーズン思うような結果が出せなかった本田にとっても、復活の兆しが見えてきたというところではないだろうか?


しかし、村主選手の怪我はすごく気がかり。コーエン、クワンなどの有力選手が欠場しているグランプリシリーズに無理してまで出る必要もないとは思うのだが。。。

フィギュアスケートスケートカナダ 男子・織田信成、女子・中野友加里が3位 


セントジョンズ(カナダ)来住哲司】


フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第2戦、スケートカナダは第3日の29日、当地で男女フリーなどが行われ、男子はショートプログラム(SP)7位だった織田信成(関大)が計193・08点で3位。GPシリーズ初出場でメダルを獲得した。SP3位の本田武史(IMG)は191・80点で4位。SP6位のエマニュエル・サンデュ(カナダ)が計201・55点で逆転優勝した。



女子はSP4位の中野友加里早大)が計149・54点で3位に入りGPシリーズ初のメダル。SP2位の村主章枝(avex)はジャンプでミスを重ねて計132・00点で8位に沈んだ。SP首位のアリシャ・シスニー(米国)が計168・32点でGPシリーズ初優勝。


転倒…感覚戻らぬまま


右股(こ)関節を痛めている村主はジャンプで失敗を重ねた。冒頭の3−2回転は無難に降りたが、続く3回転フリップで転倒、3回転のサルコウトーループはともに1回転と散々な内容で、フリーの順位は9位。「痛みはないけど、練習できなかった分、スケートが滑らないし、体の感覚も戻っていない」。トリノ五輪出場に向けて「一生懸命練習するだけ。休むなんて言っている場合じゃない」と巻き返しを誓うが、けがが悪化する恐れもあり、大きな不安を抱えることになった。

 
執念の表彰台、栄光の道再び


忘れられかけていたスケーターが、再び栄光への足がかりをつかんだ。中野がトリプルアクセル(3回転半)を跳び、参戦4年目で初めて表彰台に立った。

冒頭で挑んだトリプルアクセルは、着氷でバランスを崩して減点されたものの、回転数は認定された。「執念でしょうね」

02年のスケートアメリカ伊藤みどり以来10年ぶりとなるトリプルアクセルに成功。だが、その後は層の厚い日本女子陣の中に埋もれ昨季のGPシリーズは2戦とも11位。試合で表情や動きが硬くなるのが欠点だった。

夏場に足が動かせなくなるほど練習を積み、この日は「練習に近いものが出せた」という。演技中に笑顔も見せるようになった。トリノ五輪代表争いに、候補が一人加わった。
【来住哲司】


1番滑走「桶狭間」流


衝撃的な海外シニアデビューだ。昨季の世界ジュニア王者の織田がほぼノーミスでフリー2位に入り、GPシリーズ初出場初メダルを達成した。


映画「座頭市」のテーマ曲に乗り、冒頭にトリプルアクセル(3回転半)に3−2回転のトーループをつけた3連続ジャンプを鮮やかに決め、続く3−2回転の連続ジャンプもピタリ。スピンも抜群の美しさ。「疲れて足がつった」という終盤こそスピードが鈍ったが、自己ベスト(132・09点)更新の133・24点を出した。


2日前のSPでは重圧から最初のトリプルアクセルを失敗し号泣したが、この日は「うれしくて笑いが止まらない」。夏場に「最も練習した」というトリプルアクセルを最初に決めたことで、気持ちが楽になったという。ステップ、表現力、スタミナなど課題も多いが、踏み切りから着氷までスピードが落ちないジャンプに城田憲子日本スケート連盟強化部長は「氷をつかむうまさ、確実性はだれにもまねできない」と最大級の賛辞を贈る。


得点が出にくい1番滑走。奇跡的なメダル獲得に城田部長は「血統かな」と、織田の先祖の戦国武将、織田信長が奇襲で今川義元の大軍を破った桶狭間の戦いになぞらえた。「だれにも負けたくない」。1枠しかないトリノ五輪代表枠獲得に向け、18歳の新鋭は言い切った。
【来住哲司】


毎日新聞 2005年10月31日 東京朝刊